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コロナ下の「あれかこれか」思考を問い直す─感染者名の社内公表

公開日:2021年6月27日

  • 杉本俊介(慶應義塾大学)

社会からの信用が問われ、ビジネスに倫理が必要な時代。何らかの葛藤に直面した時、どう筋道を立てていけばいいのか、組織を取り巻く事象から考えます。

ある会社の危機管理本部から全従業員に次のメールが届きました。「弊社従業員が新型コロナウイルス感染症の陽性と判定されました。当該従業員は現在自宅待機となり、咳症状があるものの発熱はありません。3月17日以降、職場に出勤していないことを確認しています。当該従業員と濃厚接触した可能性のある従業員を特定しており、彼らに通知するための作業を行っています。感染した従業員の人権尊重、個人情報保護にご理解とご配慮をお願いいたします。」

このメールを受け取ったあなたはこう思います。「この内容で十分なのだろうか。全従業員は当該従業員が誰なのかを知る権利があるのではないか。濃厚接触者が誰かわからず職場クラスターを防げるのだろうか」と。

実はこの話は、米国の生命倫理研究所が発行しているレポートに掲載されたケースを一部改変したものです(*)。従業員氏名の社内公表について賛成と反対の意見が紹介されています。

* Sulmasy, D. P. and Veatch, R. M.(2020)“Should Institutions Disclose the Names of Employees with Covid‐19?,” The Hastings Center Report. https://doi.org/10.1002/hast.1107

ダニエル・サルメイシー教授は「氏名まで公表すべきでない」と言います。個人情報を含め従業員のプライバシーは...

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