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許される誤植と許されない誤植

  • 杉本俊介(慶應義塾大学)

社会からの信用が問われ、ビジネスに倫理が必要な時代。何らかの葛藤に直面した時、どう筋道を立てていけばいいのか、組織を取り巻く事象から考えます。

過去のメールを眺めていたら「寄生虫の杉本です」という、ぎょっとする誤変換をしていました。私的なメールなら笑い話ですむ誤植も、ビジネスシーンでは大騒ぎになります。

1月、缶ビールの誤植(スペルミス)が話題になりました。サッポロビールとファミリーマートの共同開発ビール「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」の商品パッケージ(表面)の一部に誤植が見つかったのです。「LAGER」ではなく「LAGAR」になっていました。両社は「お客様には多大なご迷惑をおかけいたしますこと、お詫び申し上げます」として、一度は発売を中止することに決めました。

ところが、消費者側から「発売中止にするほどのことか」「もったいない」「EじゃなくてもA(ええ)じゃないか」など発売を切望する声や商品の取り扱いを心配する声が相次ぎ、中止を取り消すことになりました。

結局、誤植が入ったまま発売。珍しいパッケージということで、実際に購入した人が、商品をレポートするような様子も見られました。

なぜ許されるのか

このケースはピンチをチャンスに変えた好例として評価できるでしょう。それでも賞賛しすぎることには、若干の違和感を覚えます。おそらく誤植を指摘され、一度は発売中止に追い込まれた担当者は、ひどく落ち込んだでしょうし、何度も頭を下げたことでしょう。誤植を出した側が持つだろう、このような...

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