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呼び掛けるだけになっていないか ─ 有休取得とデフォルト

公開日:2021年3月24日

  • 山田 歩(滋賀県立大学)

「〇〇してください」「〇〇禁止」。そう呼び掛けても、人はなかなか行動を変えてくれない。それはなぜか。行動科学のインサイトを使って広報実務を点検します。

(C)123RF

「有休申請を」の呼び掛けだけでは、うまくいかない

年度末になると有給休暇の消化具合が話題になります。厚生労働省によると2019年の日本の年次有給休暇の平均取得率は56%。この数値は、制度的には有休が利用できるにもかかわらず、現実的にはあまり取得できていないことを表しています。なぜでしょうか。

メニューだけでは選ばれない

日本企業では多くの場合、有休は従業員が自ら申請して取得しなくてはいけません。手間がかかる上に、「みんなに迷惑がかかるかもしれない」といった罪悪感が生じ、自発的に取得しづらくなると考えられます。「有給休暇を年間20日取得できる」といった選択メニューを用意して、利用を呼び掛けるだけでは、従業員はその選択の機会を十分に活かすことができないわけです。

それならばということで近年広がっているのが、企業が従業員に有休取得日をピンポイントに割り振る「計画的付与制度」です。自分から申請する手間や罪悪感が軽減されるのでしょう。制度を取り入れた企業では取得率が高くなっているようです。

この有休の事例は、行動科学的には、デフォルト(初期値)に設定された選択肢が選ばれやすくなる「デフォルト効果」と見ることができます。他に...

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