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地域活性に「ブランド論」を応用 持続的なプロジェクト形成へ

公開日:2020年8月30日

  • 深澤 了(むすび 代表取締役)

山梨県富士川町の酒造復活を皮切りに都留市、埼玉県戸田市と3つの地域で展開されてきた「まちいく」プロジェクト。ブランディングを地域に活かし、自走するブランドを目指します。

地域外のメンバーも加え、様々な視点から意見を出し合う。

実家の酒造「本菱」の復活をきっかけとして2016年3月から山梨県富士川町で本格的にスタートした「まちいくふじかわ」プロジェクト。その半年後にスタートした埼玉県戸田市「まちいくとだ」プロジェクト。2017年4月からスタートした山梨県都留市「まちいくつる」プロジェクト。短い間に一気に3つのプロジェクトがスタートし、3つとも今もまだブランドとしてしぶとく生き残っています。

プロジェクトメンバーが伝道師

この3つの「まちいく」プロジェクトが残した功績は、いわゆる“ブランドづくりの理論”をそのまま地域活性プロジェクトに当てはめたら、本当に効果があったことだと思います。プロジェクトメンバーを募集し、ブランドの理念や戦略部分の構築をともに行ったことで、メンバー自身のブランドへの関与度が高まることはもちろん、発売後も彼らがエバンジェリスト(伝道師)となって、積極的に広めてもらえることは、SNSが当たり前にになった時代において有効な方法と思います。

これは今日のブランド論の生みの親、デービット・アーカーが言うインナーブランディングの観点「まずは組織にいる自分たちがブランドを理解し、演じられるようになる」という点でも当てはまります。

外部からの目線で新たな発見

今回プロジェクトを通して発見できたことは、その地域に住んでいない人をメンバーに入れるという方法の有効性です。従来の地域活性は地元の人のみで構成されたメンバーで行うというものですが、地域外の人とも一緒に行うことで、お互いに新しい発見があり、それが新しいアイデアを生み、メンバー同士の親密さをさらに向上させてくれました。

「まちいくふじかわ」でつくりあげた日本酒「本菱」で言えば、地元の人も気づかなかった神社の発見と富士山、桜、日本酒が一直線でつながる独自のストーリーの発見。「まちいくとだ」の日本酒「かけはし」では、バーベキュー文化の広がりへの着眼点が、ミッション「太陽のもと、日本酒でカンパイする文化をつくる」につながりました。

「まちいくつる」がつくりあげたネクタイブランド「TSURUIKI」では、甲斐織物の持っていた「デザイン性」、「粋」、「質の高さ」というキーワードと、京都の宇治で採れたお茶を寝かす場所だったという地域特性から「ネクタイを茶筒に入れて販売する」という方法が編み出されました。いずれも地元と地域外のメンバーが融合したからこそ、点が線と...

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