次の30年に向けてスタートを切った『WBS』で、「新戦力」として中核を担うのが日本経済新聞編集委員の滝田洋一氏と、日経ビジネス編集員の山川龍雄氏の2人。キャスターとしての葛藤や、取材先での広報対応について、語っていただいた。

『日経ビジネス』編集委員 BSテレ東『日経プラス10サタデー』キャスター『WBS』解説キャスター 山川龍雄(やまかわ・たつお)
1965年10月熊本県生まれ。1989年京都大学経済学部卒業後、花王を経て、1991年日経BP入社。物流雑誌の編集に携わった後、1995年『日経ビジネス』に異動。自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間ニューヨーク支局長。『日経ビジネス』副編集長、日本経済新聞社証券部次長を経て、2011年4月から3年間、『日経ビジネス』編集長を務める。2018年4月から現職。
解説キャスターとして初めてWBSに出演した2018年4月5日、米国のシリコンバレーでの取材の様子が放送されました。テーマは「イノベーションはなぜシリコンバレーで起きるのか」。「30周年大型特別企画」の第一弾で、この半年で最も印象に残っている取材のひとつです。
イノベーションの源泉に迫る
この企画を実現するにあたっては、まずスタッフから「シリコンバレーのパナソニックやホンダの子会社に行ってみるのはどうですか」と提案がありました。それを聞いて私は、「切り口をもう少し明確にしよう」と考え、この地域特有の「ビジネスパーソンの教育システム」に注目しました。
イノベーションは、クリエイティブな人たちが集まり、なんとなくワイワイガヤガヤしている中で偶発的に生まれるわけではありません。シリコンバレーには、プロスポーツ選手を育成するのと似たようなメソッドがあるんです。そのことに気づき、本気で取り組んでいる日本企業がパナソニックやホンダだという筋書きで、企画をつくりました …