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「暇ネタ」を売り込むコツは「情報のハブ」を見定めること

  • 松林 薫(ジャーナリスト)

年度末からの忙しさが一段落し、「ネタ枯れ」になる時期は、ストレートニュースにならないネタを取り上げてもらうチャンス。記者の情報収集の方法から、情報の売り込み方を探る。

どの業界にもたいてい「夏枯れ」という言葉があるが、マスコミ業界も例外ではない。通常国会や役所の人事、株主総会などが一段落すると、政治・経済分野を中心に「ネタ枯れ」が起きるのである。こうした時期に紙面を埋めるには「暇ネタ」が必要になる。日が経つと腐ってしまう「生ネタ」ではなく、ニュースが少ない日に備えてストックしておける記事のニーズが高まるのだ。

「暇ネタ」は取材先探しから

記者が暇ネタを探している時期は、広報にとってはストレートニュースになりにくいネタを売り込むチャンスだ。例えば、自社が業界の先陣を切って始めた取り組みがあればアピールできる。また、女性活躍の事例として「女性初の○○」モノも取り上げられやすいし、地域に根付いた取り組みや、社会貢献活動なども様々な切り口から記事にできるので発信して損はない。

暇ネタや「まとめモノ」に必要な要素についてはこれまでも書いてきたので、今回は記者がこうした記事を書くとき、どのように材料を探すのかに焦点を当ててみよう。

新聞記者の場合、「社会部」「政治部」「経済部」のように守備範囲はある程度決まっているが、「暇ネタ」となれば専門分野の知識を切り口に、普段かかわりのない業界に取材をすることもある。また、連載企画の取材班に参加するときや、夕刊などのコラムがローテーションで割り振られたときも、土地勘のない分野を取材することになる。

これが「解説部」や「生活部」など読み物系の記事を書く部署、あるいはテレビや雑誌の記者ともなると、担当分野は相当広くなる。特定の企業や役所と付き合ってネタを取るタイプの記者ではないので、テーマに応じて取材先を探すところから始めなければならないのだ。

記者に必要なのは人脈

こうした取材で重要になるのが、「書こうとしているテーマについて、詳しく知っている人を知っている」ことだ。筆者は新米記者だったころ、先輩からよく「我々にとって重要なのは専門知識より人脈だ。本や論文に当たる前に、まず人に話を聞きに行け」と言われた。"誰に聞けば適切な情報を得られるか"という知識こそが記者の財産だ、という考え方である。

だから記者は、土地勘のないテーマを取材するときは、まず手持ちの人脈を頼りに「事情通」を探す。例えば、同期入社でその分野を担当したことのある記者などに、「こういうテーマで取材をするが、まず誰に話を聞くといいだろうか」などと相談するのである。さらに、他メディアの過去記事を漁り、似たテーマの取材を受けている人を探すこともある。

どの業界にも、「この人に話を聞けば業界の動向がつかめる」とか「噂話はだいたいこの人に集まる」といったように、事情通として名が通った人物がいる …

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