お菓子で学習できる無料アプリのプログラミング教材「GLICODE(R)」を開発した江崎グリコ。国内外の反響を受け、8月から仕様を一新し英語版の提供もスタートする。誰もが知る菓子ブランドの力で、社会課題解決を後押しする動きを見せている。

お菓子自体がプログラミングにおけるコードの役割を果たし、カメラモードで読み込むとプログラムが実行される。
日本はもちろん、世界的にIT技術者の不足が課題となっている。国内では2020年度に全国の小学校でプログラミング教育が必修となり対策が急がれるなか、菓子メーカーの江崎グリコが子ども向けプログラミングアプリ「グリコード」を2016年夏にリリースした。
ポッキーなどの菓子を使ってプログラミングを学べるもので、総務省が推進する「若年層に対するプログラミング教育実施モデル 実施事業」のひとつにも選定された。本件は3月で終了したが、実証実験で得られた課題を改善すべく8月からはアプリのリニューアル版とともに英語版もリリース。6月から7月にかけて実際に小学校で実証テストを行い、現在は教育指導案の作成、義務教育用の学習キット開発にも乗り出している。
その影響は国内に留まらない。2017年3月に米テキサスで開かれたイベント「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」では、教育(education)とテクノロジーを掛け合わせた「EdTech(エドテック)」の普及啓発を図る団体の呼びかけにより出展。現地のYMCAやハッカソンのなかで、「グリコード」を使用したワークショップも開催した。
「テクノロジーのイベントの一角に、ポッキーの赤い箱が山積みになっている。その光景が珍しく、注目を集めていました」と振り返るのは、現地に実際に出向いた江崎グリコの玉井博久氏(マーケティング本部 広告部)。さらにこの6月には世界最大のクリエイティブの祭典「カンヌライオンズ2017」のPR部門でブロンズ入賞を果たすなど、海外でも評価されている ...