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企業の言葉は「器」にすぎない 価値を高め、広く浸透させるには?

公開日:2017年7月19日

  • 木村透(博報堂 統合プラニング局 コピーライター)

企業の経営理念に基づく広報活動には、「伝える」力が求められます。コピーライターが語る、企業ブランドを強くする言葉の役割とは。

ブランドへの賛同が購入に直結

確かに今、企業の中で、理念やビジョンを言葉にしたいという欲求が高まっているような気がします。よく言われるように、ある商品を購入する行為が、その企業やブランドに投票するような感覚になってきていることが背景にあるのかもしれません。

多くの人、あるいはセグメントされたターゲットに投票してもらうために、企業やブランドの考え方や態度、あるいはキャラクターを鮮明にしたいと考えるのは当然ですし、言葉には端的にそれを表明する力があるということでしょう。

企業の言葉をつくってほしいと依頼される際の具体的な課題はクライアントによって様々ですが、つまるところ、「私たちらしい言葉」「私たちにしか言えない言葉」「私たちにこそ言ってほしいと期待されている言葉」が求められているという感じがするのはすべてに共通していると思います。

もちろん、従業員のモチベーションを上げたり、社内をひとつにまとめたり、今後の商品やサービスを開発する基準をつくったりといった役割も強く求められることが多いですが、それも結局は「その企業らしい言葉」「その企業こそが言うべき言葉」に行き着いてしまうのではないでしょうか。

あるいは、僕が言葉を依頼される企業が、すでに世の中に広く知られており、そのイメージを再活性化したいとか、時代に合わせて新鮮に見せたいと考えているケースが多いので、特にそう感じるのかもしれません。

「からっぽの器」を満たすには

ここからは僕が実際に携わった仕事をもとに、言葉を生み出した背景やプロセスとその後のコミュニケーションについて具体例を挙げていきたいと思います。

日産自動車の場合は、企業のDNAとして持っているチャレンジングスピリットをあらためて強く打ち出したいという課題でした。

「チャレンジングスピリット」自体は、極端な話、あらゆる企業が言いたいことでしょうから、それをいかにして「日産らしい言葉」「日産にしか言えない言葉」に見せるかが大切になってきます。いちばん簡単なのは企業スローガンの中に企業名を入れてしまうことですし、「GT-R」のようなクルマをつくったり乗ったりするやんちゃな気分にふさわしい言い回しなどを考慮して「"やっちゃえ"NISSAN」という言葉になりました ...

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