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社会に広がるPRの力

農業×福祉×デザインで地域を元気にする「恋する豚研究所」

教育機関や非営利団体、医療法人など広報のフィールドは広がっています。社会を動かし、新たな価値を生み出してきたPRパーソンの活躍に迫ります。

障害のある人の働く場所は増加しつつあるものの、その給料は全国平均で月給1 万3000円程度に留まっているなど、仕事の条件や内容は十分とはいえない。そうした中、千葉県香取市にある「恋する豚研究所」は「農業」と「福祉」に「デザイン」を掛け合わせて、新たな地域活性の方法を確立させようとしている。

「養豚」が「福祉」に結びつく

恋する豚研究所は、豚肉やハム、ソーセージなどを販売する会社だ。2012年2月9日(肉の日)に設立され、今年で5年目を迎える。「恋する豚」という名前は、「豚も恋をすればおいしくなるはず」という想いをこめて名付けられた。

成田空港にほど近い農村に同社の建物は見えてくる。特徴的な屋根にどこか温かみのある建築は、建築ユニット「アトリエ・ワン」の設計によるものだ。1階は豚肉の加工場で、2階には「しゃぶしゃぶ」などを味わえる食堂とオフィスがある。ハムやソーセージの製造や、食堂の運営は障害のある人の雇用の場となっている。

代表取締役を務める飯田大輔さんは、社会福祉法人福祉楽団の常務理事を兼務しており、「恋する豚研究所」は、障害者総合支援法に基づく福祉事業という側面も持つ。福祉楽団はもともと飯田さんの母親が設立準備をしていたが、発足を前に亡くなり、飯田さんがそのあとを引き継いだ。

当初は、特別養護老人ホームの経営など高齢者向けのサービスのみを展開していたが、次第に行政の縦割りの制度の中だけでサービスを提供していても、地域のニーズに応えることはできないということに気付いたという。例えば認知症の高齢者の相談でその人の家に訪問してみると、実際は貧困や子どもの登校拒否など、様々な課題が複合的に存在していた。そうした中で、地域の人から「障害のある人の働く場所が少なくて困っている」という声を多く聞いた。調べてみると障害のある人の月給が1万円ほどであるという事実を知り、「衝撃を受けた」と飯田さんは語る。

叔父で、福祉楽団の理事長でもある在田正則さんは、60年以上つづく養豚家でもある。これまで都内の百貨店で販売していた「アリタさんちの豚肉」というブランドをリブランディングした。在田さんと飯田さんの「自ら加工も行うことで、障害のある人の仕事をつくりだすことができる」という考えのもと …

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社会に広がるPRの力

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「社会やステークホルダーとの継続的かつ良好な関係をつくること」。これがパブリックリレーションズの本質であり、様々なフィールドでPRの力が求められています。

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