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社会に広がるPRの力

医療にもっとクリエイティブ発想を!葵鐘会が「Mother Book」で目指したもの

教育機関や非営利団体、医療法人など広報のフィールドは広がっています。社会を動かし、新たな価値を生み出してきたPRパーソンの活躍に迫ります。

葵鐘会は愛知県を中心に14の産婦人科クリニックを経営。産科クリニックグループ「ベルネット」を立ち上げ、医師2人以上の365日24時間管理体制のもと、法人全体で年間約8000件もの出産に携わる。

深刻化する産婦人科医不足、そして周産期医療の崩壊など、産科医療の現場では様々な問題が叫ばれている。例えば東海地域では、産婦人科は2010年から38施設が分娩中止や閉院となっているのが現状だ(2016年葵鐘会マーケティング部調べ)。

そのような環境下で事業を拡大し、愛知県を中心に14の産婦人科クリニックを経営しているのが医療法人葵鐘会(きしょうかい)だ。2007年に設立され、産科クリニックグループ「ベルネット」を立ち上げて今年で9年目。売上は100億円、社員数は1000人を超えた。現在は医師2人以上の365日24時間管理体制のもと、法人全体で年間約8000件もの新生児を取り上げている。

2009年に3つ目のクリニックを開業したころ、法人は診療と経営を完全に分離。管理オフィスを名古屋市内に設置し、全クリニックの経営管理業務を集約させた。その目的は、医療従事者が医療に専念できるようにすること。そして病院であっても市場を意識して、安心・安全な出産を望む患者のニーズに応えながら利益を上げていくことにある。医療機関でありながら利益を追求する姿勢は、高水準な医療を安定的に継続して提供していこうという強い意思の表れだ。そんな葵鐘会でマーケティングを担当している理事の永友一成さんは、2009年から経営に参画。一般企業でIT戦略部門の責任者を務めた経験を活かし、医療法人としては珍しい広報部門を設置した。現在は5人の専任スタッフが活動している。

40週の思い記した美しい本に

産院選びにおいて必ず重視される要素に「医療の質」が挙げられるが、対外的な発信方法について永友さんは頭を悩ませていた。「医療業界には、医療広告の規制や医師会などによる不文律があります。最近ではサイトも広告規制の対象となり、比較広告が禁止されるなど様々な制約がありますが、私たちはその中で必要なことを伝えていかなくてはなりません」。

ひとつのブレイクスルーとなったのが、2014年に導入した「Mother Book」だ。母親になるスタート地点に立った妊婦のために制作した立体的な妊娠ダイアリーで、来院した妊婦に無料で配られる。1週間を1ページに見立て、標準的な妊娠期間となる40週(全40ページ)で構成。ページをめくり月日が経つごとに …

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社会に広がるPRの力

自治体や教育機関、そして医療法人やNGOなどの分野で活躍するPRパーソンが増えています。

「社会やステークホルダーとの継続的かつ良好な関係をつくること」。これがパブリックリレーションズの本質であり、様々なフィールドでPRの力が求められています。

本特集では、現場の皆さんが実感した「広報の力」に迫ります。