800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、現場の課題や危機管理などの広報のポイントを解説します。
3月という時期は、大学では卒業と入学を迎える、「繁忙期」の真っ只中。年度末が近いこともあり、予算の執行状況や新年度に向けた制作物など、どこも慌ただしくなってきたのではないでしょうか。
さて、今回は広報と広告、それらの評価について書きたいと思います。ご存知のように広告には出稿料がかかり、時に莫大な投資が必要です。一方、広報は経費というよりも担当者の手間暇や熱意が必要で、その活動にどの程度価値があったのかを知るためには、「広報の数値化」が重要になります。加えて、効果的な広報活動ができているのか、組織内で状況を共有する必要もあるでしょう。
学校法人東洋大学の設置校は東洋大学以外にも附属中高、幼稚園があり、地域性や学校種によって社会との接点も変われば、広告の打ち出し方も変わります。広報の目的は文字のごとく、広く世間とつながりを持つということで、いわゆる広告と字面は似ていますが異なります。広報と広告を切り分けるのでなく …