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ベネッセ、資生堂、ドコモ……記者会見の「質疑応答力」が高いトップは誰だ?

公開日:2015年7月02日

経営者のプレゼンテーション力をジャッジする本誌連載「プレゼン力診断」。この1年の取材の中でも、特に記者発表での質疑応答のやりとりに着目し、トップ広報の参考になる7人の経営者を筆者・永井千佳氏とともに選出した。

 

最優秀賞 登壇前の佇まい、すでに「勝負あり」


ベネッセ ホールディングス

原田泳幸社長

2014年10月28日
「エリアベネッセ青山」記者説明会(東京・渋谷)

登壇前の佇まいから、すでに「勝負あった」と思わせるほどの静かな自信と気迫を感じさせた。プレゼン第2ラウンドとなる質疑応答で、記者からの厳しい質問に対して、低く響く声で腹を据えて自信満々に言い切り、ロジカルに自分の言葉で語り、記者との知の格闘技を見事に制した点は高く評価したい。逆境に立たされてこそ発揮される原田社長の強さの源泉は、明快なロジックだ。ロジックは必ず数字で裏付けられ、それが自信につながり、原田社長の強さになっているのだ。相当の事前準備をした上でロジックの矛盾点をつかない限り、記者はかなわない。ワンマンという印象の原田社長だが、質問内容によっては臨機応変に詳しいスタッフに受け渡す。場の責任者である「トップ自らが、振る」ことが大切だ。力強く部下・チームを信じるその姿は、この会見に先立つこと3カ月前、昨年7月のベネッセ社長就任後初の会見で感じた弱々しい印象を一変させるインパクトであった。

 

優秀賞 熱いパッションで「史上最大の作戦」


資生堂

魚谷雅彦社長

2014年7月18日
「エリクシール」ブランド戦略発表会(ザ・ガーデンホール/東京・恵比寿)

180 cm超の体躯。演台を使わず全身で立つだけで華がある。加えて熱いパッションが魚谷社長の持ち味。低音で迫力のある声も魅力だ。資料をそのまま読み上げるトップが多い中、自分の言葉を盛り込みながらポイントをきっちり伝え、全員で法被を羽織り決起集会した場面を見せて「史上最大の作戦」「泥臭い文化」「夢を持ってます」と、伝統ある資生堂の型にはまらない言葉選びも素晴らしかった。大きな会場での表情や身体の使い方もダイナミックで良い。「やります!」と決意の表情を見せ、「一方で」と話題を変えるときは身体を反転させ、「一気通貫」のときは腕を横に通す動き、「順序を逆転」と言うときは手をぐるぐると回すなど、言葉を超えたものが明確に伝わってくる。エンディングで、「イチガン・プロジェクト」を、低く響く声で「イチガンとなって〜!」とガッツポーズした表現力と気迫には圧倒された。

 

優秀賞 「ハイ! ご質問ありがとうございます!」


吉野家

河村泰貴社長

2015年5月14日
「ベジ丼」記者発表会(如水会館/東京・千代田)

第一線の現場で目の前のお客さんに「あうんの呼吸」で血の通った対話をひたすら繰り返して培ったと思われる、一流のホスピタリティ。社長室にこもっているトップと大きく違う河村社長独自の強みはそこにある。質疑応答で大事なのは最初の質問。まず爽やかに「ハイ!ご質問ありがとうございます!」と言い、メモをとりながら真剣に聞き届け、答えた後、相手が納得しているかどうか目線を合わせて会釈するところまで気を抜いていない。ちょっと硬さもあったプレゼンの後、ここで空気感が変わり河村社長のペースになった。質問によっては公表できないとしながらも、相手の立場を考え、ヒントを提供して記者が満足するように答える。また、多くのトップが自分の考えを言わない中「自分の考えでは……」という場面は素晴らしく、日本にもついにこういう経営者が出てきたのだと思わされた。

 

優秀賞


ヤッホーブルーイング

井手直行社長

2014年12月1日
「月面画報」記者向けお披露目会(よなよなBEER KITCHEN/東京・赤坂)

予想外の仮装での登場は、どんな人でも一度見たら記憶に一瞬でインジェクションされ絶対に忘れることはできない。スルーされるプレゼンは …

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