高岡社長が見せた気迫 ネスレ日本の発表会を分析

公開日:2015年5月08日

  • 永井千佳(エグゼクティブ・スピーチ・コンサルタント)

経営者やPRパーソンの「プレゼン力」を診断するコーナー。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。



シェフのブランド力を活用
ネスレ日本の外食戦略発表会 

ネスレ日本は3月19日、品川プリンスホテルで外食戦略の発表会を開催した。外食店向けに提供する「ネスカフェ」を使用したデザートドリンクやラテアート、コーヒーと相性の良い「キットカット」の開発など、新たな事業方針が明らかとなった。

記者に競合との差別化を強調

余裕のある着こなしや雰囲気のある佇まい、スターシェフたちとのやりとりなどから、高岡浩三社長には一流を知る教養豊かな文化人の香が漂う。オープニングのスピーチからは緊張している様子が伝わってきたが、途中でそんな雰囲気が吹き飛んだ瞬間が見受けられた。

最後の質疑応答で記者から、シングルオリジン*やハンドドリップを扱う競合について質問が出たときだ。高岡社長は、突如がっちりとマイクを握り直して自分の言葉で語り始めた。力強いアイコンタクト、胸に手を当て大きな身振り手振りで情熱的に思いの丈を聴衆に訴える気迫。スピーチ技術だけでは表現できない、言葉に魂が宿った瞬間だった。この情熱を冒頭から聞いてみたかった。

この日に同席した役員のプレゼンではスライドの投影タイミングが合わず、イベント運営側の技術的なミスが続いた点はマイナス。舞台裏の話し声が表に聞こえていたのも緊張感が感じられず残念だった。

ゲストで登場した「ラ・ベットラ」落合務シェフはメディア出演が多く話し慣れているだけに …

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