上場企業479社の広報活動実態調査でわかった日本企業の広報力とその課題、ビジョンについて「8つの広報力」を切り口にレポートする。
広報組織力に関する企業の広報活動実態(戦略構築力の10設問から主要設問を抜粋)
回答した上場企業479社が広報組織力関連で当てはまると回答した数をパーセンテージ表示している。
星印は、専門家パネルが重要視した上位項目(数字は順位)
広報周辺業務の体制も進化
企業広報戦略研究所では、「広報組織力」を経営活動と広報活動を一体的に行うための意思決定の仕組み、会議体、システム整備などの水準、と定義している。戦略的広報活動には、経営中枢と広報部門が組織として近いことが必要不可欠である。その上で、他部門と定期的に情報共有できる仕組みの整備や計画的実施など、内容の充実度が問われる。
具体的には(1)広報担当役員の存在 (2)広報専門部門の設置 (3)広報と他部門の連携 (4)社の重要な意思決定に広報担当者が同席 (5)広報ノウハウが蓄積できるシステム (6)イントラネットの活用─といった要素を満たす必要がある。また、日本ではまだ少ないが、 (7)トップの広報経験も広報組織力に大きな影響を及ぼす要素である。
こうした観点から調査結果を見ると、課題がいくつか浮かび上がる。まず ...