
未来をつくる学生向け広報は重点テーマの一つ
広報部、CSR部が所属するコーポレートコミュニケーション部では、昨年度、今年度の重点テーマに「学生向け広報」を掲げる。昨年からは、「未来創発キャンパス」と題し、「グローバルでの戦い方」、「未来のつくり方」などをテーマに、NRI社員による基調講演や学生とのトークセッションを実施。今年は約420人の学生が参加した。
90年代後半から、花形業界の一つだった情報システム(IT)サービス産業。近年はその就職人気にも陰りが出始めた。重要なステークホルダーである若手人材に業界の魅力を再認識してもらうためには、学生向け広報の力が欠かせない。
学生向け広報を重点施策に
野村総合研究所(NRI)は昨年から、「未来創発キャンパス」として学生限定のイベントを始めた。2003年から開催している一般向けのイベント「未来創発フォーラム」で、来場者から「未来を担う若い人たちは来ていない」と指摘されたのもきっかけの一つだ。「グローバルでの戦い方」、「未来のつくり方」などをテーマに、NRI社員による基調講演や学生とのトークセッションを実施。今年は420人あまりの学生が参加した。
幸い業界の人気企業ランキングに社名が挙がっているものの、「本当に入社してもらいたい学生にあまねく知ってもらえているか?という点では疑問符がつく」と野村総合研究所(NRI)コーポレートコミュニケーション部長の野村武司氏は話す。今は院生・理系・男性に偏っている採用層を、今後は多様な人材に転換していく必要もあり、広報としても学生向け広報を強化すべきだと考えた。
そもそも、NRIが企業理念として掲げる「未来創発」には、未来を担う人材を発掘していくというミッションも含まれる。若い人に働くことの意義を伝え、キャリア教育を行っていくことは、コーポレートコミュニケーション部のCSR部門としても重要なミッションだ。「採用人事は、NRIに入りたいと思ってくれる学生にアプローチするのに対し、広報はNRIに関心のない層も含め広くアプローチする役割があります。昨年度、今年度の広報・CSR部門の重点テーマの一つに学生向け施策を掲げることになりました」。
有識者にNRIへの提言をしてもらう対話型のワークショップ「ダイアログ」に学生編を加え、東京・名古屋・大阪・福岡の4カ所で「NRIを知らない学生」も含めて対話し、その意見を吸い上げている。