TikTok Shopが日本でも本格始動し、SNSとECが融合する新たな販路に注目が集まっている。しかし、ただ出店しただけでは商品は売れない。カギを握るのは、上手くアルゴリズムに乗る動画と、ユーザーに“見つけてもらう”ための仕掛けだと言われている。TikTok広告の黎明期から縦型動画と向き合ってきたセプテーニは、コンテンツの力を軸にした集客戦略で、出店者の成功をどう支援しようとしているのか。

Septeni Japan
新たな販路で様々なブランドに光が当たるきっかけになる
─セプテーニは、TikTok広告が日本でリリースされた当初から広告会社として効果最大化を支援しています。TikTok Shopのポテンシャルはどう見ていますか。
本間:TikTok Shopは「街を歩いていて偶然出会う」ような、「ディスカバリー体験」をデジタル上で再現できる場だと思っています。ユーザーが“検索して探す” のではなく、ユーザーごとに最適化されたアルゴリズムによって“見つけてもらえる”のが何よりの価値です。このTikTokならではの特性に、ショップ機能が追加されたことによって、私たちは様々なブランドにチャンスが生まれる可能性があると考えています。これまでの販路では魅力が伝わりづらかったブランドにも光が当たるきっかけになったり、マス広告で広く多くの生活者から認知を獲得しているブランドだけが有利になる状況とは別に、TikTokでの出会いを起点として商品が売れていく世界が来るのではないかと考えています。
仙波:海外ではTikTok経由で生まれたブランドも登場していますし、今後日本でも「TikTok Shop発のヒット商品」が続出する可能性はあると思っています。日本は他の海外諸国と比較してEC化率が低いと言われていますが、TikTok Shopをきっかけに、日本でも“ソーシャルメディアでブランドに出会って、その場で購入する”という新たな購買文化が生まれるかもしれません。認知から獲得までの導線を一本化できること、そして動画コンテンツによって引き起こされる強い感情がトリガーとなってひと続きに購買意欲に辿り着くことが、TikTok Shopとしての最大の強みだと思っています。また、行動データがファネルを断絶することなく取得できるため、施策の検証もしやすくなります。既存のマスプロモーションや流通とは異なる価値を提供できるのではないでしょうか。
─“見つけてもらえる”というアルゴリズムを味方につけることが、TikTok Shopで勝てるか否かを左右するということでしょうか。
仙波:その要素は大きいと思います。上手くアルゴリズムに乗って、いかにユーザーの「おすすめ」に表示されるかが大切です。TikTokユーザーの利用時間の8割は「おすすめ」フィードの閲覧に費やされています。TikTok Shopは、出店するだけではユーザーに商品が見られることはないので、ユーザーに“見つけてもらう”ことが何より重要なんです。
本間:言い換えれば、TikTok Shopの最大の価値である「ディスカバリー」を味方につけるためには、コンテンツの力によって店舗への集客力を高める必要があるということです。TikTokのアルゴリズムを熟知し、ユーザーの興味関心に刺さるフォーマットやコンテンツ設計力が必要になります。
動画コンテンツを起点にアルゴリズムの効果を最大化する
─セプテーニのTikTok Shop支援サービスも、コンテンツ制作や集客力に特化したものだと聞きました。
本間:セプテーニは、日本でTikTok広告がサービスとしてローンチされた2018年から、社内で専門部署を立ち上げ、広告制作、ショート動画供給強化に向き合ってきました。最近では、勢いを増しているショートドラマなど、TikTokのその時々のトレンドに合わせたコンテンツ制作・運用を支援しています。いわば日本上陸当初から、TikTokのアルゴリズムを研究し、ユーザーの興味関心に刺さるフォーマットやコンテンツを追求してきたプロが揃っているんです。“最適な打ち手”を組み立てる力がセプテーニの強みだと思っています。
仙波:これまで培ってきたセプテーニにおけるTikTokの知見を最大限詰め込んだものが、今回ローンチした「TikTok Shop支援サービス」です。「①出店支援」「②店舗運営」「③集客」「④分析」の4領域をカバーし、出店作業や商品登録などのオペレーション業務から、動画コンテンツを起点とした集客戦略の立案・実行、販売データを用いたPDCAまで、一貫してサポートします。中でも、特長としているのがコンテンツによる集客です。

セプテーニが提供する4つの支援領域
─TikTok Shopの“見つけてもらえる” アルゴリズムの効果を最大化するソリューションということですね。
本間:先ほどもお話しした通り、TikTok Shopでは、商品を興味のあるユーザーの「おすすめ」に表示させることが重要です。ですが、動画コンテンツはいくつもの変数によって構成されていますよね。例えば、ある商品を売り出す際、それに合うクリエイターがライブ配信をしたり、動画を投稿したりすることで成果が出ます。つまり、何通りもの表現の中から自社のブランドに合う動画がどういったものなのかを理解することが必要なのですが、変数が多すぎるがゆえに、一筋縄ではいかないんです。セプテーニが、動画起点でTikTok Shopの運用を支援する理由はここにあります。
仙波:現在はライブ配信で爆発的に売れたという事例も出てきていますが、新たな販路としてTikTok Shopを有効活用するためには、単発の成功ではなく、継続的に売るための仕組みづくりが求められていると感じます。そのニーズも踏まえ、セプテーニでは広告やオーガニック投稿、自社アカウント運用、クリエイター選定とディレクション、ライブ配信などを組み合わせ、商品や企業に最適な戦略を構築していく方針です。私たちは広告会社なので、その立場を存分に活用して、セラーをサポートしていきたいと思っています。
売れるためのデジタル設計と培ってきた知見が選ばれる理由
─ローンチから1カ月で100社以上から相談があったと聞きました。その理由をどう捉えていますか。
仙波:やはりTikTokの広告立ち上げ期から培ってきたTikTokに対する知見や、セプテーニの出自であるデジタルエージェンシーとしての支援経験の豊富さが評価されていると感じます。また、あらゆる集客施策に対応し「売れるためのデジタル設計」を実行する体制が整っていることも支持されていると考えています。既にお客さまから、アフィリエイター経由での集客(オープンコラボ・ターゲットコラボ)や、動画コンテンツ起点での集客(トップ~ミドルクリエイターの活用)、広告配信起点での集客など、多岐にわたるご相談をいただいています。
本間:TikTok Shopに特化して言うと、ライブ配信の切り抜き、素材開発、レベニューシェア型の報酬設計など、柔軟な支援体制も評価されているポイントだと思います。すでに100件以上の問い合わせが来ている状況を踏まえても、今後TikTok Shopに参入する企業・ブランドはますます増えていくはずです。ローンチ初期の今の段階でも、商品や動画によって販売実績・傾向は異なっています。各社が本格的に活用を始める前に、ローンチしたばかりの今こそ販売傾向をスピーディーに分析し、ブランドに合う動画コンテンツを試していく必要があると思っています。そのときに、TikTokを深く理解し、売れるための仕組みを持つセプテーニが、最良の伴走者となれるよう今後も支援内容をアップデートしていきたいです。

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