「また行きたくなる」店舗施策とアイデア
いかに新しい顧客を獲得するか、既存顧客の来店頻度を増やすか、高付加価値商品を買ってもらうか──こうした永遠の課題を解決するヒントとなるのが、顧客エンゲージメント価値だ。顧客生涯価値だけでなく、顧客がどれだけほかの顧客を連れてくるか、多くの人に知らせてくれるか、店舗を活用する知識を持っているか─という視点で、顧客を把握する考え方だ。店舗施策の基本である小売ミックスと織り交ぜながら、いかにして「行ってみたくなる」「また来たくなる」店舗をつくるか、事例とともに紹介する。
持続可能な効率化を探る 顧客視点の売り方改革
さまざまな業界で人手不足が問題となっている。帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2019年4月)」では、非正規社員の不足を感じている飲食店は78.6%、飲食料品小売は63.9%に上り、業界トップ2に。これからの時代、顧客に満足してもらうための店舗体験を提供するには顧客視点での売り方改革が急務である。ここでは、テクノロジーなどを活用して新しい売り方を目指す取り組みについて紹介する。
ダイレクトマーケ 勝利の条件
消費税率が10%となる。購買者の視座では、商品はそのままに割高となった印象を受けかねない。前回の増税時のような売り上げの落ち込みを発生させないよう、個々の顧客の置かれている文脈を踏まえたコンテンツやメディアで、その顧客にとっての商品価値を下げない、むしろ高まるようにしなければならない。いまこそ、柔軟に施策を改善し、新たな顧客との関係を築いたり、関係を維持したりする戦略「ダイレクトマーケティング」が重要だ。顧客へ直販する業態/事業を支えるのはもちろん、ふだんのプロモーションでも忘れてはならない戦略と言えるだろう。
「eスポーツ」販促活用のこれから
2018年の流行語のひとつに選ばれた「eスポーツ」。国外はもちろん、日本でも急激に市場が拡大している。日本のeスポーツファンは383万人(出典:Gzブレイン)で10歳代・20歳代男性の認知度は約8割。いまでは、大会やプロチームへのスポンサーを務める企業も増えてきたが、本当に「eスポーツ」は活用できるのか。プロチーム、大会主催者、スポンサー企業など、それぞれの視点から活用のこれからを考える。
顧客に喜ばれるデータ活用の要点
「データ活用」─とはいつごろから世に登場した言葉だろうか。たとえば「データ分析」という語句であれば、1970年代にも使われていることは、調べれば容易にわかる。しかし「データ活用」は管見の限り、1990年代も後半に入ってから登場しているようだ。データは、「分析」するだけでなく、「活用」を前提とするものになった。
ともかくも「データ活用」が人口に膾炙するようになって、二十数年が経つ。では現在の私たちは、どこまでデータを活用できているのだろうか。見込み顧客にEメールやダイレクトメールを送ってみたり、Webの閲覧履歴を基に、興味を引きそうなディスプレー広告を見せてみたり。あるいは購入した商品などの情報に基づき、割引クーポンをレジで発行するというのも該当する。こうしたプロモーションの精度を高めるだけが「データ活用」なのだろうか。
近年では、「ビッグデータ」や「データサイエンティスト」という言葉が、経済関連のメディアの見出しに踊った。やや食傷気味という向きも少なくはないのではないだろうか。また最近では「情報銀行」や、「信用スコア」といった言葉が、その地位に付いているようだ。栄耀栄華をほしいままにせんとばかりの「データ活用」は進化のスピードが速い。手をこまねいていると時代に置き去りにされそうな不安もよぎる。
しかし、実のところ、顧客から誕生日を教えてもらい、それを覚えておいて、ちょっとしたギフトを贈り、お祝いのひとことをかけるのであっても、立派な「データ活用」のはずだ。誕生日は個人情報であり、それを活用しているにほかならないからだ。むしろ、ここにこそ、データ活用の本質、要点があるのではないか。
話題ばかりが先行しがちな「データ活用」だが、それを手段として、すべきこととは一体なんであるか。各社のキーパーソンに話を聞いた。
増税を乗り越える!店頭コラボで競争力アップ
消費税増税がことし10月に実施される予定です。販売者の収益になるわけではありませんが、購入者からすれば、同じ商品が割高になるという、素朴な印象を抱いても不思議はありません。買い控えを乗り越えるには、店舗や商品の競争力を高めることが求められます。マイナスをゼロにするだけでなく、ゼロをプラスにする購買促進効果も期待できるかもしれません。店舗や商品の独自性・希少性を高め、競争力の源に変える強力な手立てのひとつが、コラボレーション。今号では、コラボレーションをどのようにして実践していくかを特集します。
「5G」でさらに加速する?IoTで変わる実店舗
2020年春以降、次世代通信規格「5G(第5世代移動通信システム)」の本格導入が想定されています。「高速・大容量」「多接続」「低遅延」といった特徴が挙げられており、たとえば「多接続」なら、実店舗内でも多様な端末を設け、ネットワークへの同時接続ができるようになりそうです。これまでは一部の大企業・先進企業のみでしたが、より多くの実店舗で、顧客の行動を、これまでよりもつぶさに把握できる可能性が高まります。そうした時代が到来した時、どのような施策が考えられるでしょうか。
令和元年 新しい日本のプロモーション
いよいよ新たな元号「令和」が施行となり、平成の次の時代となりました。令和時代にふさわしい「新しい日本のプロモーション」とは何でしょうか。「新しい」とは、過去になかった何かを生み出したり、これまでの流れを覆していたり、別の方向を指し示したりするもの。つまり、歴史を知らなければ、新しいアイデアを生み出せないのはもちろん、それが新しいのかどうか判断することすらできないのです。しかし、あまりのんびりしている暇はありません。かけ足で振り返り、「新しい日本のプロモーション」が何かを考えてみることにしましょう。
老舗と最先端が高め合う銀座 集客力の秘密
日本一のショッピング街、銀座。古くから人でにぎわうこの街が、「平成」が終わるいまでも、人をひきつけ続けているのはなぜだろうか。日比谷や日本橋も含めた銀座エリアでは、新たな店舗が続々とオープンする一方、創業100年を超える老舗も、時代の変化に伴い、新たな集客アイデアを取り入れている。歴史性と先端性が高め合うこの街にこそ、販促のヒントが溢れているはず。老舗と最先端が両立する銀座エリア、その集客力の秘密を探る。
企画力のレベルアップ
アイデアと企画を分けるものはなんでしょうか。さまざまな見方ができそうですが、ひとつ挙げるとすれば、「全体的な視点」と、それを提案する企業や、最終的にその企画に触れる消費者、そのほか、さまざまなステークホルダーを、「現実的に見ていること」ではないでしょうか。それには、企画を任される打席に数多く立つことも欠かせませんが、他者がどのようにして全体を見、現実的な視点を勝ち得たのか、そういったストーリーに触れることも必要ではないでしょうか。企画の根底に持つべきもの、クライアント側の視点、提案者の視点、そして、つい忘れてしまいがちな「リアル」まで、さまざまな方の方法論をご紹介します。
売り上げ・ブランドを高める「接客」
私たちが、商品やサービスを売ったり、買い物をしたりするとき、そこで交換されているのは、モノとお金だけではない。来店者は買い物のプロセスにまつわる良い体験を受け取り、販売側はブランド資産をより強くする。そうした、見えない価値と見えない通貨のやりとりもあるのではないか。「接客」は、どのような価値を顧客に提供できるのか。マーケティング視点での再考にはじまり、一線で活躍する店頭スタッフ、外国人対応、動画、テクノロジ─「接客」にまつわる、さまざまなトピックから、売り上げとブランド向上のヒントを探る。
もっと購入に結びつくPOP 使い方と作り方
つい買ってしまった、思わず店に入ってしまった─理屈ではない、消費意欲をその場でわかせるもの、それがPOPです。文字通り、Point Of Purchase=購買地点におけるアプローチ手法。POPと聞くと、小さな紙に書かれた小粋なキャッチフレーズが思い浮かびますが、それだけではありません。デジタルサイネージや、パッケージ、店頭什器でも、衝動買いを起こすことはできます。今回の特集では、さまざまなPOP活用事例から、制作のポイントまでを紹介します。
リテールAI、生鮮品の拡大、コラボ事例 未来のコンビニ
コンビニにパラダイムシフトが起き始めている。2005年末には全国3万9877店舗だったのが、18年5月末時点では大手3社だけでも5万1463店に拡大した。大規模な数の店舗を運営し、MD計画を立てたり、人材を獲得したり、という従来のやり方では、そもそも限界があるはずだ。
消費者の生活のあり方は変わり、求められる商品は多様化しつつある。こうした変化の前線を探った。ポップアップストアカタログ 2018
プロモーション手法として、すっかり浸透したポップアップストア。商品のトライアルや顧客の拡大、消費者と直接つながる場として、ネットでの話題化の火付け役として、など、多様な目的で活用されています。飲食物や雑貨、スキンケア用品など、ことし実施されたポップアップストア事例を紹介します。
熱狂と感動が商品価値を高める スポーツ×販売促進
2020年の東京五輪開始まで残り99週、そして、日本各地を会場とするラグビーW杯までは残り55週となりました。スポーツのビッグイベントが目白押しとなります。一度スタジアムを訪れればわかりますが、厳しい世界でしのぎを削るアスリートのプレーは、言葉にはならない高揚感を与えてくれるもの。こうした体験とともに商品やサービスの独自の価値を訴求すれば、商品・サービスの存在感をひときわ高めることができるはずです。
顧客維持型へシフト 次代のダイレクトマーケティング
新規顧客の獲得はビジネスにとって、きわめて重要な要素です。そしてもうひとつ、購入・利用などで関係性を構築した顧客といかにつながり続けるか。顧客を維持するためのコミュニケーションが、これから市場で生き残っていくためには決して欠かせない要素となります。
しかし、これまで獲得型のダイレクトマーケティングについては知見があるものの、維持型へシフトするにはどうすればいいか、実は手がかりが少ないのではないでしょうか。今回の特集では、今後、不可欠となる顧客維持のコミュニケーションについて考え始めるための、ヒントを紹介していきます。