「鮮度がよくちゃだめですか?」“物件鮮度”訴求の異色コラボが生まれるまで

公開日:2025年6月30日

  • 橋本勝洋氏(LIFULL)

不動産・住宅情報サービス「LIFULライフルL HOMEホームズ'S」などを手がけるLIFULLは2025年2月、アイドルグループ・CUTIE STREETと「すしざんまい」の社長を起用するという異色のコラボレーション企画を展開した。そのユニークな組み合わせと、SNSを中心に拡散していく仕掛けが若年層に刺さり、大きな話題に。施策の舞台裏と、ミームやトレンドを活用したマーケティングの工夫について、同社の橋本勝洋氏に話を聞いた。

不動産業界において、新生活の準備が本格化する1月から3月は、年間で最も物件の動きが活発になる繁忙期となる。このタイミングに合わせ、LIFULLが展開したのが、「物件鮮度」をテーマとした異色のプロモーションだ。人気急上昇中のアイドルグループ・CUTIE STREETと、「すしざんまい」の木村社長を起用した大胆な組み合わせが話題を集めた。

背景にあるのは、不動産ポータルサイトに長年存在する「おとり物件」問題だ。不動産業界では、契約済みの物件が情報更新の遅れによって掲載され続け、利用者が誤って問い合わせてしまうケースが後を絶たない。そこでLIFULL HOME'Sでは、不動産ポータルサイト上に掲載されている賃貸物件のうち、実際に募集中の物件が占める割合を「物件鮮度」とし...

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ミーム・マーケティング戦略と実践

SNSを起点とする情報の流れはますます加速し、今日バズったものが明日には忘れ去られる時代に突入しています。生活者の関心は「今」に集中し、ブランドやプロモーションにおいても「トレンドに乗れるかどうか」が話題化の成否を左右するようにもなってきました。本特集では、ネットミームやSNSで生まれるトレンドを瞬時に捉え、巧みにプロモーションへと昇華させて話題を呼ぶ「ミーム・マーケティング」に注目。単なる“ノリ”ではなく、明確な意図を持って仕掛け、成果へとつなげている事例や、その裏側にある体制・判断・設計思想を深堀して紹介します。さらに、共感による拡散のメカニズム、炎上リスクへの備え、そして現場でトレンドと向き合うSNSの“中の人” たちのリアルな声を通じて、ミーム・マーケティングという手法の本質に迫ります。SNSとともに変化する生活者の感情や行動、そのスピードを武器にするのはチャンスか、リスクか─。販促・マーケティング担当者が“今”の空気を企画に取り込むためのヒントを探ります。