商品やサービスを選ぶ際に、単に機能や価格だけではなく、消費者がユーザーの“リアル”な声であるクチコミを調べることが当たり前になっている時代。消費者がなぜこれほどまでにクチコミに興味を持ち、強い影響力を持つのか。そして企業がどのようにそれを活用していけるのか。その可能性について、クチコミマーケティング協会(WOMJ)運営委員・メソッド部会長の宇賀神 貴宏 氏が解説する。
WOMJではクチコミを「消費者間コミュニケーション」と捉えています。かつては主にFace to Faceで行われていたクチコミは、インターネットの普及により大きく変化し、今ではSNS、レビューサイト、ブログ、動画共有サイトなどを通じてクチコミが行われ、より広範囲かつスピーディに共有されるようになりました。
この変化は消費者の購買行動に大きな影響を与えています。消費者は発信者としてSNSや動画共有サイトで日常的にレビューや体験談投稿を行う一方で、受信者としては「リアルで等身大の情報」を求め、クチコミを参照にすることで商品やサービスを選んでいます。最近では特に短尺の縦型動画コンテンツが商品の使用感をリアルに伝えるツールとして定着しています。
このような背景の中で、なぜ消費者はクチコミを求めるのでしょうか。