2024年3月、麻布台ヒルズマーケットにベーカリー「Comme’N TOKYO」がオープンした。特に注目されているのが、併設された子どものためのベーカリー「Comme’N KIDS」だ。子どものみが入店できるという同店では、子ども自らがパンを選び、お金を支払うといった買い物体験ができる。このユニークなコンセプトはどのように生まれ、実現に至ったのだろうか。店舗を立ち上げた大澤秀一氏に、その想いと背景を聞いた。

2023年11月、「麻布台ヒルズ」の開業に注目が集まった。中でも、2024年3月に、世田谷区・九品仏の人気ベーカリー「Comme’N TOKYO」が同施設に入店し、話題となったのは記憶に新しい。

Comme’N TOKYOのオーナーシェフ・大澤秀一氏は、パンの世界大会で日本人初の総合優勝を果たした腕の持ち主。同店も独自のレシピを用いて生み出す食感や味わいに定評があり、地元住民だけでなく、多くのパン好きも魅了してきた人気店だ。そして、麻布台ヒルズにオープンした店舗にも、新たな取り組みを仕掛け、人気を集めている。

それは、“子ども専用”のベーカリーを併設したことだ。大澤氏によると、麻布台ヒルズにはインターナショナルスクールもあり、意外にもファミリー層が...