飲食業界において、M&Aを通じた企業再生で確かな成果を上げるガーデン。家系ラーメンの「壱角家」や「山下本気うどん」など、再生事業を黒字化させるノウハウを磨き上げ、売上高は過去最高を記録している。なぜ、ガーデンは一度立ち行かなくなった企業を再生し、なおかつ黒字化を達成できるのか。代表取締役社長の川島賢氏が明かしたのは、「展開性」「持続性」「収益性」の3要素を重視した戦略だ。

昨期の売上高は過去最高 社長が大切にする行動指針とは
──ガーデンの展開するブランドは、コロナ禍以降よく見かけるようになった印象です。
ガーデンでは壱角家をはじめとしたラーメン事業、そして山下本気うどんを中心としたレストラン事業など、計20の飲食事業を展開しています。ガーデンという社名で事業を展開したのは2015年。今年で10年目を迎える会社です。
2024年2月期の売上高は、ガーデンが始まって以来、最高額となる153億円に伸長しました。2025年も、第3四半期時点で売上高は76.4%、営業利益74.7%と、通期業績予想の達成に向けて順調に推移している状況です。事業別に売上高を見ると、「壱角家」を含むラーメン事業が67.3%。第2の柱である「山下本気うどん」を含むレストラン事業が16.1%。直近はこの2業態をドライバーとして会社を成長させる方針です。
──業績を見ても好調さがうかがえます。経営の方針として川島社長が大切にしていることはあるのでしょうか。
いたってシンプルなのですが、「周囲から必要とされること」ですね。ここで言う“周囲”とは社員、株主、もちろんお客さまも、すべてのステークホルダーのことを指しています。ルールを守る、前向きにポジティブに向き合う、時間を守る……、要するに「信用をつくる行動」を常に大切にしています。
この「信用つくるために、“当たり前”を遂行すること」は、事業を黒字化させるためにもかなり重要な位置づけを担っていて。ガーデンが企業再生型M&Aを実現できる理由の一つにもなっています...