昨今の販売促進や流通とのコミュニケーションを考えるうえで避けては通れないのが「リテールメディア」の存在です。活用するメーカーはどのような点に留意する必要があるのでしょうか。相対する小売(流通)、買い物客の立場から考えます。
昨今、「リテールメディア」が小売業界や広告業界で話題になっています。小売業が外部向けに「広告媒体(メディア)」として提供している媒体を指します。具体的には、小売業が運営しているECサイトや動画・アプリ、店舗内のサイネージなどが対象です。リテールメディアは、小売業を主体とした「新たなメディアの概念」であり、同時に小売業にとっては新たな収益経路の1つとして注目されているのです。
では、なぜリテールメディアが日本国内でも注目されるようになったのでしょうか。主な理由には下記の4点があると考えます。
①プライバシー保護の強化(今後はクッキーに頼らない取り組みが必須)
個人情報保護法の改正などから既存の広告配信の精度の低下が課題視され、買い物客のデータと繋がることができるリテールメディアに期待が高まっているため。
②コロナ禍による購買スタイルの変化(パソコンや携帯端末を使っての…