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「強みの見つけ方」「知られ方」

コラボレーションは足し算ではなく掛け算

  • 西村康朗氏(分室西村)

顧客、販売チャネルの拡大。メディア露出の増加など、あらゆる効果が期待できるコラボレーション。
一方、店頭の棚確保のみを目的としたものや、即効性しか生まない失敗例も数多く存在する。
相乗効果を生み出し、化学反応を引き起こすコラボレーションとは?分室西村の西村 康朗氏が解説する。

ソニー・ホンダモビリティが発表した新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」。リアルとバーチャルの世界を融合していくことで、移動空間をエンタテインメント空間、感動空間へと拡張していく。

※画像はソニー・ホンダモビリティ公式サイトより引用。

1月にラスベガスで開催されたテクノロジー見本市CES2023で、ソニーとホンダによる新ブランドAFEELAが発表された。かつて新車は、発売直前に「満を持して」発表されることが多かったが、AFEELAは米国での受注開始が25年。さらに、モーターショーではなく、家電中心の見本市での発表だ。

その広報力はそれぞれのブランドにすでに大きな成果を生んでおり、オープンイノベーションにとどまらず、ブランディングにも寄与している。新車の販売促進ではなく、ブランドの持つ妄想力を一気に引き上げた。車が従来の移動手段ではなく、エンタテインメント時間という生活者にとっての新しい意味や振る舞いを提供する買い方のカテゴリー創造すら感じた。

コラボレーションの意味 タイアップとの明確な違い

コラボレーションはタイアップと同義語として使われることが多いので、その違いははっきりさせておきたい。タイアップは企画主体がはっきりしている。企画主体の会社が、提携や協力をお願いすることである。

店頭の棚確保のための施策でしかないものは「流通タイアップ」であり、たまに見かける「コラボレーション企画」というものにも、ただのタイアップと言ったほうがいいものも多い。コラボレーションは、複数の企業が協働し一つの製品やサービスをつくることであり、それぞれの役割分担はしながらも共につくりあげる「共創」の具現化である。

タイアップが企業同士の向き合い中心で進んでいくことに対し、コラボレーションは複数企業が同じ方向で動かすべきものを見ていることが大きな違いである。最大の注意点はコラボレーションを進めていく際に企業同士のお金のやりとりが発生するが、そこで上下関係をつくらないこと。お金を払う方が、お金をもらう方に対して、一方的に注文ばかりするようになり、本来の価値共創が崩壊していく危険を回避する関係になっていることである。

コラボレーションは掛け算 目指すものを言語化し共有

コラボレーションを告知するものを見ていると「○○○×□□□」のように「×(かける)」で表す場合が多い。その志は正しいと思う。+ではなく×。単に...

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「強みの見つけ方」「知られ方」

インターネットの浸透により、商圏に縛られず自社の商品・サービスの顧客を広げることが可能になった。一方、商圏の縛りがなくなったがゆえに、商品・サービスの対象顧客の設定戦略は、より重要になりつつある。仮説設定がないままには、どんなメディアを使って、どのようなコミュニケーションをすればよいのか判断できず、買ってもらう以前の、「知ってもらう」ための戦略も立てられない。「SNSでバズって...」「口コミで話題になって...」の幻想に囚われず、知られて買われるための適切な第一歩を踏み出すアイデアを紹介する。