宣伝会議では、9月3日~4日に「アドタイ・デイズ10th Special Days」を開催した。ウェブメディア「AdverTimes.」の10周年を記念して行われた今年は、62人が登壇。9月10日に開催したオンラインイベント「アドタイ・デイズ オンラインEXPO」と合わせて5504人が参加し、広告界の“今と未来”を考えた。
毎年横ばいだった売上を伸ばすためにキャラクターを活用し販促活動を行ってきたゼスプリ インターナショナル ジャパン。人気の「キウイブラザーズ」誕生の秘密は、消費者調査にあった。




5月4日に放映を開始したテレビCM「好きなことを楽しみながら」篇。CMの内容を複雑にせず、シンプルに設計されている。果実の中身を見せる描写を採用するなど、ビジュアルにもこだわって制作したという。
消費者の意識改革に挑戦
──「キウイブラザーズ」のテレビCMがスタートした2016年当時、ゼスプリブランドが日本市場で感じていた課題は。
当時は、毎年の売上が微増しかしていないことを課題に感じていました。ここからより売上を伸ばすにはどのようにすれば良いかと考えたとき、2つのポイントがあると気が付いたのです。
まずは、消費者の視点で考えることです。これまでは、商品の売上を語る際に、リテーラーサイドから話をすることがほとんどでした。つまり、実際にどのくらいの消費者がキウイを食べているのか、消費者から見てキウイにどの程度の成長性があるのかという話をすることはありませんでした。
そこで、消費者調査を行ってみた結果、「月に1回以上キウイを食べている」という消費者は少ないということが判明しました。
裏を返せばこの事実は、他の食品や果物と比較して、売上が成長する余地があるということです。消費者のキウイに対するイメージをポジティブなものに変えられないかと、意識改革にトライしました。
また、他の調査からはテレビCMに出演している芸能人の名前は記憶にあるものの、企業名やブランド名、キウイの味や健康面のメリットはほとんど伝わっていないことが分かりました。
そもそも、日常的に果物を食べる日本人は少ないのが現状です。どうすれば果物やキウイが消費者の日常生活に深く入り込めるかを見直す必要があるのではないかと考えました。
──消費者調査の結果から、コミュニケーションのヒントは得られましたか。
「キウイブラザーズ」開発前の消費者調査では、「キウイは見た目がかわいくない」という意見が寄せられていました。キウイは、CMの冒頭でも“ジャガイモのよう”と表現しているように、その外見に“心踊る感じ”がないことが欠点なのです。そこで...