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「また行きたくなる」店舗施策とアイデア

ブランド全体の価値向上を図る 東急ハンズの新しい店づくり

11月1日にオープンした渋谷駅隣接の大型商業施設「渋谷スクランブルスクエア」。10階には東急ハンズの新店舗「東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店」が入る。東急ハンズの既存店にない種々の工夫とは。

    【Uniqueness】

    2店舗の連携でシナジーを生む

    東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店は、駅直結のビルへの出店で、気軽に立ち寄ることができる。既存店と比べて取り扱う商品点数は多くない一方、大型店である「渋谷店」との連携を高め、店頭にない商品はすぐに取り寄せ、翌日には店舗に届く仕組みを構築した。

東急ハンズが仕掛ける新しい店舗

「東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店」は、渋谷エリアでは「東急ハンズ渋谷店」に次ぐ、2店舗め。

東急ハンズの山田一之氏(広報・CSR推進室コーディネーター)によると、「渋谷エリアは、この2店舗でひとつの店舗」という。

「『渋谷店』のフロアのひとつが、『渋谷スクランブルスクエア店』に入っているというイメージ」(山田氏)

「渋谷スクランブルスクエア店」の強みは、渋谷駅に直結している立地の良さ。一方で、取り扱いSKU(在庫管理単位)は「渋谷店」の3分の1強といったところ。商品を探している来店者の接客方法を工夫している(→Point.01)

Point.01
渋谷店との密な連携で実現 2店舗の売り場をひとつに

「東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店」は、11月1日に開業した複合施設「渋谷スクランブルスクエア」に出店した店舗。渋谷駅に直結する同施設は、オープンから4日間で、31万人が来館したという。

立地が優れている一方、品揃えは約3万5000SKU(在庫管理単位)。「東急ハンズ渋谷店」の約15万SKUに比べ、周辺のオフィスワーカーや情報感度の高い人をターゲットとした内容にしぼり込んでいる。しかし、ときには、店頭にない商品を求められることもあるはずだ。

そこで用意したのが「シブヤモシモシ」と名付けたサービス。渋谷スクランブルスクエア店に在庫がない商品でも、タブレット端末を用いたテレビ電話で渋谷店スタッフが接客し、商品を用意する。電話しながら、渋谷店の商品棚を画面で確認できるのが特徴的。

商品名がわからなかったり、欲しい商品についてうまく説明できなくても、見れば、「これだ!」とわかることは少なくない。利用した来店客からは、「ここまで丁寧に商品を探してくれて助かる」という声も聞かれた。

購入にあたり、渋谷店から取り寄せる場合は、ほとんどの場合、翌日には渋谷スクランブルスクエア店で受け取れる。当日に必要な場合は、取り置きし、渋谷店での直接購入、受け取りとなる。東急ハンズにはもともと、店舗をまたいで在庫状況を確認できるシステムを整備しているが、2店舗間での遠隔接客や、頻繁な商品移動は初めての試みとなる。

「テクノロジーを活用しつつ、接客はアナログで。これが愛される東急ハンズらしさです。また、小売業のテレワーク(遠隔地勤務)のあり方としても新しいのでは」(東急ハンズ 渋谷スクランブルスクエア店ユニットリーダー 眞弘一氏)

「渋谷スクランブルスクエア店」の客層は、女性比率が高い傾向にあることもわかってきた …

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いかに新しい顧客を獲得するか、既存顧客の来店頻度を増やすか、高付加価値商品を買ってもらうか──こうした永遠の課題を解決するヒントとなるのが、顧客エンゲージメント価値だ。顧客生涯価値だけでなく、顧客がどれだけほかの顧客を連れてくるか、多くの人に知らせてくれるか、店舗を活用する知識を持っているか─という視点で、顧客を把握する考え方だ。店舗施策の基本である小売ミックスと織り交ぜながら、いかにして「行ってみたくなる」「また来たくなる」店舗をつくるか、事例とともに紹介する。