自転車は、燃料がいらず、小回りが利き、環境負荷も低いため、各国に普及する移動手段だ。その意味では、グローバルな乗り物だが、携帯性に難がある。海を渡っての旅行に携行するのは自転車ファンにかぎられるだろう。ひるがえせば行き先に自由に使える自転車があれば、行動範囲は大きく広がるはず。拡大する「シェアリング経済」を追い風に、世界22カ国250都市超で自転車シェアサービスを展開する「ofo(オッフォ)」が、日本でも拠点を広げつつある。

ことし3月から4月にかけ、和歌山市・北九州市・大津市でサービスを開始した、自転車シェアリングサービス「ofo(オッフォ)」
和歌山・小倉・大津市 国内3カ所で相次いで開始
中国の自転車シェアサービス大手ofo(オッフォ)はことし3月末に和歌山市、4月9日に北九州市、同27日に大津市と、国内で相次いでサービスの展開を始めた。
「ofo」は、専用スマートフォンアプリを介して自転車が借りられるサービス。アプリ上で近隣に利用できる自転車置き場(ポート)があるかを探したり、利用料金を支払ったり、借りる自転車を解錠したりすることができる。
「ofo」で自転車を借りたり、返却したりする専用ポートは、ofoジャパンが、自治体などの持つ公共用地や、企業や個人が持つ土地を借りて設置したもの。
和歌山市では、「ofo」専用として26ポートを新設し、自転車は約120台を用意した。場所は、JR和歌山駅~南海和歌山市駅を中心とした市街地と、和歌山城のようなランドマーク、体育館や公園などの公共施設のほか、ホテルやオフィス、カフェといった商業施設にある。公共交通機関との連携を意識し、鉄道駅やバス停の付近に設置しているのも特徴だ。
北九州市では、レンタサイクル事業などを手がけるNPOタウンモービルネットワーク北九州が所有する21カ所の自転車置き場のうち、小倉北区の18カ所を「ofo」のポートとして共用し、70台の自転車を用意した。
小倉北区のポートは、小倉駅をはじめとした主要駅や、小倉城などの観光スポット、区役所のような公共施設のほか、病院や銀行、スポーツ施設、ショッピングモールなど、暮らしの中で人通りの多い場所に設置している。
ポートが最も多いのは大津市で、66カ所。「ofo」の専用で自転車の数は約400台だ。近江神宮~近江大橋エリアの約4~5キロメートル圏内に点在しており、借り出しと返却の利便性を向上させた。
こちらもやはり、市役所やホールなどの公共施設やホテルのほか、スーパーなど生活の一部として足を向けることの多い場所に設置。
滋賀県では今後、大津市内北部の堅田エリア、同市東部の石山・瀬田エリアをはじめ、琵琶湖沿いに県内のほかの地域への拡大も目指すという …