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認知度ゼロから6年で80%に 新たな市場をつくった戦略とは

公開日:2017年12月17日

2011年9月に発売し、ヨーグルト市場に「ギリシャヨーグルト」という新たなカテゴリーを築いた森永乳業の「濃密ギリシャヨーグルト パルテノ」。カテゴリーの定着とともに売り上げを伸ばし、2016年度のギリシャヨーグルト市場は前年比120%を記録した。カテゴリーの認知度ゼロの状態から、どのように浸透させていったのか。同商品のヒットの仕掛け人に取材した。

発売当初ゼロだったギリシャヨーグルトの認知度は、発売から約6年を経たことし、80%に上昇。「パルテノ」のマーケティングを手がける森永乳業の杉内佐津希氏は、その戦略について「短期的に売り上げを増やすことよりも、新たなカテゴリーの構築を最優先とした」と語る。同氏に、発売から現在に至るまでのプロモーション手法を聞いた。

森永乳業
営業本部 リテール事業部
マーケティング統括部 DYマーケティンググループ アシスタントリーダー
杉内 佐津希 氏

──「濃密ギリシャヨーグルト パルテノ」(以下、パルテノ)の開発に至った背景を教えてください。

開発を始めたのは2008年です。当時のヨーグルト市場は、当社が販売する森永アロエヨーグルトのような「フルーツタイプ」や、ソースの入った「2層タイプ」の商品から、新たに当社の「ビヒダスヨーグルト 脂肪ゼロ」などの「脂肪ゼロタイプ」のヨーグルトが開発されるなど、「機能性タイプ」に移りはじめたころでした。

各社が機能性商品を発売するかたわらで、「フルーツタイプ」が苦戦していたのです。当社としては、ヨーグルト市場を拡大するためには、フルーツタイプ、機能性タイプに次ぐ新たなカテゴリーの開発が必要だと考えていました。

そんななか、フルーツヨーグルトを購入している消費者を対象に当社でアンケートをしてみると、ヨーグルトの味に物足りなさを感じていることがわかりました。そこで、健康価値に加えて、味にもしっかりと満足してもらえるヨーグルトを開発できないかと考えたんです。

その際に着目したのが、アメリカで急成長していた「ギリシャヨーグルト」というカテゴリーでした。食べてみると、ギリシャヨーグルトはヨーグルトの水分や乳清(ホエー)を除去して製造しているため濃厚な味わいがあり、これまで日本で食べられてきたヨーグルトのおいしさをさらに超えるものだと感じました。

当時の日本には「ギリシャヨーグルト」というカテゴリーそのものがありませんでしたが、ゼロからのカテゴリー構築にチャレンジしようと開発を決めたのがはじまりです。

──2011年9月に「パルテノ」が発売されてからは、どのようなプロモーションを行ったのですか。

短期的な売り上げよりも、新たなカテゴリーの構築を最優先として、チャネル戦略や商品設計にこだわり、慎重に認知を広げていきました。まずはターゲット層を、市場を拡大する際に絶対に掴まなくてはならないイノベーター(情報感度の高い人)かつ、20歳代後半から40歳代の女性と決めました。販売エリアはターゲットが多く存在する首都圏に。「ギリシャヨーグルト」の存在自体を伝えるため、販売チャネルはPOPが使える量販店のみに絞りました。

商品設計についても、これまでのヨーグルトの味を超えるおいしさを前面に出すようにしました。「ギリシャヨーグルト」はいわゆるプレーンですが、プレーンを食べたことがない人でも試しやすいよう、容器に入ったはちみつを別添しました。

チャネル戦略や商品設計に気を配ったかいもあって、ターゲットに深く訴求するという目的は果たせたと感じています。量販店で販売していたため、50歳代~60歳代の女性にもご購入いただいていました ...

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