高価格帯の缶詰・瓶詰、北欧デザインで勝負

公開日:2017年8月24日

北欧の家具や雑貨に視線が注がれ、専門店が人気を集めている。マルハニチロは「北欧ブームの追い風の中で、食品の種類が少ないのは大きなチャンス」とし、缶詰と瓶詰の計7種発売。いずれも従来商品と比べ、価格が高い。デザイン性を強めた商品で付加価値を訴求し、さらに新たな販路開拓も狙う。

4月開催の「日本ホビーショー」では、「kippis」の雑貨を扱うサンヒット(埼玉・八潮)が出展したブースで「kippis 北欧ソース」を先行販売した

百貨店催事で1000個超販売 飛び込みで扱い獲得も

マルハニチロが売り出した、ジャムやソースの瓶詰に注目が集まっている。「キャラメルシナモンソース」「クリーミーデミソース」など5種を5月1日に発売した。内容量は50グラムで価格は550円(税別)。

5月4日~11日に開かれた京王百貨店新宿店の催事「北欧屋台」では3日めに完売。追加入荷分と合わせ、8日間の会期で1000個以上販売した。

出版社・宝島社の自主企画ブランド「kippis(キッピス)」を活用した商品。同ブランドはフィンランド在住のデザイナーによるパターンデザインが特徴で、2012年からバッグや傘などを自主販売してきた。

マルハニチロは3月、共同開発の第一弾として鮭の缶詰2種を発売した。内容総量は100グラムで価格は650円(税別)。同社の缶詰「あけぼのさけ」の180グラム・450円(同)と比べると、高価格と言える。

缶詰も瓶詰も、従来の食品流通ルートではなく、生活雑貨店やファッション雑貨売り場でのみ販売している。マルハニチロの狙いは、「kippis」ブランドの食品を通じて、新たなチャネルを開拓することだ。担当部署はマーケティング部開発営業課。

百貨店の食品以外の売り場も、これまで販路にはならなかった業態のひとつ。かわきりになったのは西武百貨店だ。マルハニチロの営業担当者が電車の中づり広告で、西武百貨店が北欧をテーマにした催事を開催することを知り、その勢いのまま「ご担当の方いらっしゃいますか」と飛び込み。「kippis」商品を紹介したところ、そのままイベントで扱われることになった。

新たなチャネルを得て、マルハニチロの渋谷靖朗・開発営業課課長は、「雑貨店ルートならではの深い提案ができるようになるとわかった」と話す ...

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