システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

「 カスピ海ヨーグルト」の復活劇 メーカーが取り組む店頭演出

公開日:2017年7月05日

フジッコ(神戸・中央)は、店頭販促を重視するメーカーの一つだ。同社の「カスピ海ヨーグルト」の販売では、社長自ら店頭に立ち、社員総出で巻き返しを図る施策なども実施。同商品を含むヨーグルト製品全体の2017年3月期の売上高は前年同月比約27%増に。発売から15年が経つ現在もロングランヒットを維持し続けている。

「カスピ海ヨーグルトの復活」のイベントでは、社員総出で7万8000人分の試食を配った。福井社長自らもスーパーの店頭に。

店頭での演出を重視するニッチなファンづくり戦略

健康志向の高まりもあり、ヨーグルト市場は乳酸菌飲料をのぞいて3800億円(2015年)規模に達している。その一翼を担うのが、フジッコの「カスピ海ヨーグルト」だ。乳製品大手が健康機能をうたう新商品を投入するなか、異業種と言えるフジッコが後発ながら15年間のヒットを続けてこられたのは、根強いファンをつかんできたからと言える。

「カスピ海ヨーグルト」を含むデイリー商品(乳製品)グループのブランド責任者である紀井孝之氏は、営業一筋20年の現場主義。店頭での陳列やレイアウト、パッケージの見せ方など、どうすればダイレクトに売り上げに結びつくか、什器選びをはじめとした試行錯誤を繰り返している。同ブランドを託されてからは4年め。誰よりも顧客目線を意識して「販促での仕掛けづくりを考えることが面白くて仕方ない」と話す。

「カスピ海ヨーグルト」は、とろ〜りねばりのある食感と食べやすいマイルドな酸味が特徴。日本にカスピ海のヨーグルトが広まったルーツをたどると、長寿食文化の研究で知られる医学博士の家森幸男氏(武庫川女子大学・国際健康開発研究所長)が、カスピ海と黒海にはさまれた南コーサカス地方には元気に暮らす100歳以上の高齢者が多いことに着目し、ヨーグルトの乳酸菌を持ち帰ったことが始まりだという。

他社の類似製品との大きな違いは、27度前後の常温で発酵(通常は加温する)することや、独特のねばりがあり酸味が少ないこと。ヨーグルトのねばりの正体は、「カスピ海乳酸菌クレモリス菌FC株」が生み出す「粘性多糖類EPS」だ。「このねばりこそ、健康効果の源」と紀井氏は話す。開発当初からヨーグルトの機能に関するエビデンスを地道に集め、学会で発表してきたと言う。こうした経緯から、低価格競争やCMの大量投下に打って出ず、代わりに1000人〜2000人規模のフォーラムを2004年から毎年開催している。

「お客さまに講演やディスカッションなどを通して、直に健康効果を伝える。ニッチなファンづくり戦略を継続してきました。店頭演出も考え方は同様で、どうすればきちんと伝わるコミュニケーションになるかを考えています」そうした戦略が奏功し、2015年には純正種菌の頒布数が500万セットを突破。8年連続、2ケタ伸長をたたき出し、フジッコの主力商品としてのポジションを築いた ...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

店頭演出・ポップアップストア 心躍る 体験企画

消費者との直接的な接点であるリアルの場をどのように設計し、"心躍る体験"を提供するべきか─。店頭での演出やポップアップストアの事例、また識者の見解から、リアル接点におけるヒントを探ります。