「事実」と「実感」右脳と左脳で伝える

公開日:2017年6月07日

業種業態を問わず「ストーリーが重要だ」ということが多くの場面で言われるようになった。実際、「ストーリー」が備わった商品のほうが動きがよい。ではその「ストーリー」はどのように設計し、どうやって伝えるか。メーカーと飲食店それぞれの視座から語る。

「AdverTimes Days 2017」の最後の時間帯のコマとなったが、会場では熱心に聞き入る人が目立った

データを元に実感を込めてストーリーを伝える

ヤマサ醤油の藤村功氏が紹介したのはことし20週年を迎えた「昆布つゆ」。1997年の発売当時は、つゆと言えば「めんつゆ」。使用用途はそうめんというのが定番だった。しかし少しずつ、「ほかの料理にも使える」という風潮が出始めていたころだ。

調味料は単体で口にするものではないため、使用機会を増やすにはメニュー提案が効果的。そこでヤマサ醤油は「昆布つゆ」を発売した年の秋、「秋味ご飯」という炊き込みごはんのメニューを訴求。

「これには裏付けがありました。食卓調査でモニターの方が、その日のメニューが家族に喜ばれたかどうかを回答するのですが、炊き込みご飯は市販のめんつゆで作ったほうの人気が高かった。それで『昆布つゆでつくる秋味炊き込みごはんだ』とテレビCMを打ちました。そうしたら翌日から問い合わせが殺到しまして、商品が軌道に乗りました」(藤村氏)

その後も、肉じゃがや豚の角煮など家庭の定番メニューを「昆布つゆ」でつくる提案を継続。20年を経てヤマサ醤油の売り上げを支える商品となった。「実際に作る方に喜んでいただけている。そういうデータを元に、メーカーとしても実感を持ってお伝えすると。消費の現場のリアルを伝えたことがよかったと考えています。事実に基づくストーリーそのままマーケティングで発信するということですね」(同) ...

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