スポーツチームの「集客施策」は、小売業やサービス業でも応用が利くはず。今月は、1度もJ2に降格したことがないアルビレックス新潟の集客術について聞いた。

チケットは是々非々のスタンスで企画
サッカークラブ「アルビレックス新潟」は2004年からJリーグ1部(J1)に昇格し、以来1度も同2部(J2)に降格をしたことがない。1993年のリーグ開幕から2016年までの通算動員数は800万人を超え、全57クラブ中3位だ。
ホームゲームの来場は約8割が地元からで、年間パスは購入者の9割がリピーター。しかしアルビレックス新潟・広報室の栗原康祐氏は、「地元の方々には関心を持ち続けていただいていますが、新規の獲得に課題を感じています」と、集客の課題を隠さない。
これまでJ2に降格をしたことがない一方、上位に順位をつけられていないことも事実だ。勝ち続けるためには「クラブ全体でのいっそうの盛り上がりが必要で、そのために動員数も増やし続けていきたい」と栗原氏は話す。
そこでアルビレックス新潟では新規獲得とリピート来場促進の施策として、「女性専用シート」や「砂かぶりシート」などの「企画チケット」に力を入れている。企画したチケットはこれまでに30種類以上。砂かぶりシートは、選手から数メートルの距離で、彼らと同じ目線の高さで観戦できる。テレビでは味わえない臨場感が売りで、監督が選手に出す指示や選手同士のかけ声、ボールを蹴る音がダイレクトに伝わってくるという ...