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ECの壁 突破口は「人」

出版社のコンテンツを生かして8万円コートを700枚以上販売

出版社運営のEコマースサイトの中でNo.1※の売り上げを誇る、集英社のファッション通販サイト「FLAG SHOP(フラッグ・ショップ)」。消費者の心をつかむ仕掛け作りにより、会員数は2017年4月時点で83万人を突破。「FLAG SHOP」の運用を担当している、ブランド事業部 部長代理 小倉千絵氏に、その戦略を聞いた。

※同社調べ

「人」主体のコンテンツがECだからこそ欠かせない

─ことし開設10周年を迎えるとのことですが、いま「FLAG SHOP」の中で人気のコンテンツは何ですか。

「FLAG SHOP」は10年目で「情報発信型メディアコマースサイト」として生まれ変わりました。そのコンテンツの中でページビュー(PV、見られた回数)が多く、PVに対する購入の割り合いが高いページは、「Buyer's Voice」と「Buyer's Select」です。

「Buyer's Voice」は、トレンドリーダーとなるバイヤーが人気アイテムや旬のブランドなどの最新情報を発信するページ。「Buyer's Select」は、同じくバイヤーがテーマに合わせて厳選したアイテムを紹介するページです。

この2つの共通点は、どちらもバイヤー、つまり「人」を介していること。Eコマースサイトは、店舗のようにお客さまと直接触れ合えません。その分、こうした「人」を介したコンテンツを活用し、お客さまとのコミュニケーションを図っています。

私たちの意に反して、全商品一覧ページがPVを稼ぐこともありますが、それは実は望ましくないことです。お客さまが全商品一覧ページを見るのは、何を見たらいいのかわからない場合が多いからです。つまり、そのサイトが検索しにくいということ。

私たちがお客さまに商品を提案する「Buyer's Voice」と「Buyer's Select」は、一番見ていただきたいページなので、実際に多く見られているのはうれしいですね。

─バイヤーが情報をピックアップする「Buyer's Voice」と「Buyer's Select」は、どのような意図で作られたのでしょうか。

ファッションに対して、自分ならではの好みを追求する方が増えることに貢献できればと思い作りました。最近、自分なりの主張であるとか、好きなブランドを見つけるということが少なくなっている印象があります。

ファストファッションでもオシャレにコーディネートできますし、着回しテクニックを活用すれば、新しい服を買わなくても十分楽しめます。

それでも、やっぱり自分の好みを生かしたほうが、よりファッションを楽しめると思うんですね。好みの服を探して買うのも面白くなってくる。そのためには、自分なりの考えであったり、主張のようなものがあったほうがいい。その第一歩となるのが、人が発信する情報なのではないでしょうか。

また、現在は情報があふれていて、みな目が肥えています。リアルでない情報では気持ちが動きません。だから「Buyer's Voice」と「Buyer's Select」では、シンプルに「バイヤーはこう考えて服を選びます」「こうやってコーディネートしています」と伝えるだけです。そこから、自分になかった見方や楽しみ方を発見し、しだいに自分なりの好みを形にしていただく。

直接顧客と触れ合ってコミュニケーションできないECサイトだからこそ、こうした「人」主体のコンテンツが欠かせません。サイトを通して感情を刺激できるように意識していますね ...

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生活に当たり前のものとなった、Eコマース。そのすそ野は着実に広がり続けています。同時に、運営する企業の打ち手もさまざまに発展していますが、最終的に差をつけるのは人ではないでしょうか。ECとそれを手がける「人」に着目しました。