「東京2020大会エンブレム」のモチーフとなった「市松模様」。江戸時代に端を発するデザインであり、一方で世界でも「チェッカーデザイン」として親しまれる。エンブレム決定を機に、再注目される可能性はあるか。明治40年創業の手ぬぐい・染め物の老舗「染の安坊」(東京・浅草)に聞いた。

東京・浅草。日本を感じさせる雑貨は、多くの訪日観光客を引きつける。
「市松模様」は日本と世界をつなぐ模様
2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催は、「国内総生産(GDP)の実質成長率を2015年?2018年の4年間で、年0.2ポイント〜0.3ポイントほど押し上げる」と、日本銀行は試算する。経済効果のピークが見込まれる2018年は単年で、14年から約5兆円〜6兆円引き上げる計算という。
多くは建設投資増加要因だが、一人あたり消費額要因は2020年単年で1兆円程度、外国人観光客増加要因も同単年で2.5兆円ほど上乗せされる見込みだ。
「東京2020大会エンブレム」の名称は「組市松紋」。江戸時代に広まった「市松模様」をモチーフとするデザインを、日本の伝統色である藍色を用いて、粋な日本らしさを描いた。世界でも「チェッカーデザイン」として、同様の模様は古くから見られるため、日本国外の人にも、親しみの持ちやすいデザインと言えそうだ。
エンブレムのモチーフとなったことで、「市松模様」に再び脚光が当たるかもしれない。そこで、東京・浅草の手ぬぐい・染め物専門店「染の安坊」に、エンブレムの発表前後で変化があったかを尋ねた …