PBのイメージを覆すブランドづくり

公開日:2015年12月02日

「みなさまのお墨付き」の名前の通り、テストを通過し、“お墨付き”となった商品のみを展開している西友のプライベートブランド。業界的に異色とも言えるキャンペーン「横綱チャレンジ」など、挑戦を続ける真意とは。

「良い評価」を示す二重丸のロゴマークや商品のシズルを前面に出したパッケージが特徴的。

商品化へのハードルは消費者の支持率70%以上

消費者テストを示した図。商品化されるためには、必ずテストを通過しなければいけない。合格しても1.5~2年後に再テストを実施。絶えず、支持された商品だけを展開できるシステムとなっている。

2012年に、ナショナルブランドに劣らぬ品質とリーズナブルな価格を実現するプライベートブランドとして「みなさまのお墨付き」は誕生した。食品や飲料を中心に、550種以上の商品が揃っている。

最大の特徴は全ての製品を一般消費者のテストにかけて、「お墨付き」をもらった製品のみを商品化・販売するという点にある。

仕組みとしては、1製品につき全国の主婦100名以上(20代~60代)がチェックを実施。主婦ならではの厳しい目で、味・容量・価格を総合的に判断し、4段階で評価する(男性ユーザーが多い製品は男性も対象者として参加)。

ここで支持率が70%を上回れば晴れて商品化となるが、そうでない場合は「ボツ」となり、改良が加えられた上で再び消費者テストへとまわされる。

ただ、消費者チェックの声が直接届く商品部では、それがモチベーション向上につながる。2012年にブランドを立ち上げた時には約30%あった消費者テストでのボツ率が、いまでは5%前後になっている。

「ここまで厳しく商品開発を行っているのは、おそらく当社だけです。それも1度商品化されたものであっても、1.5年~2年のサイクルで再び消費者テストにかけ、70%を下回ったり顕著な支持率低下があれば再開発となります」(西友 マーケティング本部 プライベートブランド事業部 シニア・ダイレクター 越智幸三氏)。

プライベートブランドが、ナショナルブランドよりも低価格であることは大前提。というのも西友はEDLP(エブリデイ ロー プライス)を武器に、「顧客の人生をより豊かにすること」を目指しているからだ。

その上で、ただ安いだけではなく、顧客が心から欲しいと思える商品にしなければいけないという考えから、「みなさまのお墨付き」は全製品で消費者テストを実施している。「どうしても、プライベートブランドには質が低いというイメージがあると思うのです。それを払しょくするためにも …

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