数々のグローバル企業で新規マーケット参入、商品開発の経験を持ち、現在は複数の大手企業のアドバイザーを担う射場瞬氏が、アメリカでの調査をもとに、日本の販促担当者が知っておくべきSP分野のキーワードを解説します。

フェイスブックで導入予定の「Buy」ボタン。広告に表示された商品を簡単に購入できる。
イラスト:根津あやぼ
メディアから購入サイトへの脱皮
The Media’s Expansion into the World of E-Commerce
フェイスブックやグルーポンといったメディアをビジネスの中核としてきた企業が、既存サービスと決済を融合したビジネスを展開する戦略を取り始めている。米国で開催のコンベンション「Money2020」で各社が次々に発表した。フェイスブックが、画面に掲載の広告商品をワンクリックで購入できる「Buy」ボタンの導入を発表したのも、その顕著な例。
販促▶ ラスベガスで「Money2020」が開催されたそうですが、どんなコンベンションなのですか?
射場▶ 2014年最も注目されたコンベンションの一つで、米国の経済ニュース専門放送局であるCNBCも主要講演を生中継したほどの注目度です。7000名を超す参加者が来場し、主要カード会社や銀行、大手流通、大手IT企業、注目ベンチャーやデータマーケティング専門会社のCEOやエグゼクティブが大勢参加しました。この機会にビッグニュースを発表する会社も多数あり、非常にエキサイティングでした。
中でも注目を集めたのは、決済が単なる機能や技術ではなく、集客やロイヤリティーを向上させるマーケティングの最も重要な役割を担う可能性について。「店頭決済の情報を活用して最適化したマーケティングを行う」「決済とメディアを融合して効率的に購買を促進する」などのトピックです。
具体例としては、フェイスブックやグルーポンなど、今までSNSや共同購入型クーポンサイトと認識されていた企業が …