O2O、オムニチャネルといったデジタルの活用に注目が集まるが、その後の店内施策の不備により、チャンスを逃していることも多い。ここでは、「顧客」の行動をしっかりと観察し、そこを起点としてさまざまな施策を見直す「行動観察」の基本と業務に取り入れるためのポイントを解説していく。
1.観察に入る前の準備
実際に観察を行うとき、事前の準備をしっかりと行うことは大変重要で、この部分があいまいなまま始めてしまうと、得られる気づきもあいまいなものになったり、意図したものとずれた気づきになってしまいがちである。
観察に入る前の準備をしっかり行うために、私たちは「6W1Hの明確化」を行っている。なぜ5Wでなく6Wかというと、観察対象者(Whom)が加わるからだ。
(1)Why(目的)とWhat(課題)の明確化
何のために観察を行い、結果を何に活用するのかを明確化する。
例えば店頭のお客さまを観察するとき、お客さまにとって見やすく買いやすい売り場づくりを目的とした場合と、スムーズな導線を探る場合では、観察の視点が異なる。目的を明確化することによって具体的な視点を持つことができ、より有効な気づきを得ることができる。
(2)Where(実施場所)とWhen(実施時期)の明確化