企業が売り上げを高め、顧客を拡大――その過程にはいつでも販売の現場を大切にする社長の知恵が生きている。本連載では、販売の現場から次々とユニークなプロモーションを生みだす成長企業の経営陣を紹介。その販促の考え方を取り組み方とともに紹介する。
取材・文 上妻英夫(KIプレス)/経済ジャーナリスト メルマガ「いま、売れる方法はこれだ!『上妻英夫の販促大学』」

「地域に密着して、さまざまな行事に参加していくことが大切」と語る、代表取締役社長の宍倉弘哲氏。
「300年企業を目指す」中堅の老舗企業
消費税率が8%に上がり、このタイミングで価格と同時に、商売の仕方そのものを見直す企業も増えている。そういう状況の中で、中堅の老舗企業はどのような手を打ち、戦略を掲げているのだろうか。「企業寿命30年説」がある中で、「地域生活に貢献する300年企業を目指す」を掲げるのが創業226年の宍倉。千葉県大多喜町を本拠地に、千葉県内で3業態を展開し年商106億円の老舗企業だ。3業態の内訳は、スーパーマーケット6店舗、コンビニ6店舗、食品・日用品雑貨卸事業会社。ここ数年の売り上げは微増、利益は経営管理の効率化で着実に伸びている。
創業は江戸時代、天明8年(1788年)に、履物業の製造問屋(履物、下駄の製造)で起業し、履物に加えて、荒物・乾物・雑貨・燃料の販売を始めた。続いて、みそとしょうゆ、食酢の製造業、食品と日用雑貨の卸業を始めた。その後法人組織として株式会社宍倉弥兵衛商店を発足。