花の香りが感じられる「花」という文字
今から28年ほど前。デザイナーとして働き始めた当初のこと。タイポグラフィをベースにデザインする機会が多く、あらためて書体の勉強をしました。当時はまだ写植で版下をつくるのが一般的でしたが、Macが普及し始めた時期でもあり、自分の手書き文字をスキャンして図形化したものを調整したり、既存の書体をアレンジしたりと、“文字いじり”をしていました。しかしその後、有名な書体が誕生した時代背景や形の特徴、その理由など、書体に関する知識を学べば学ぶほど、文字いじりができなくなってしまいました。