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2024年広告主がクリエイターに期待すること

クリエイターとのフラットな関係性が肝 森永乳業の「伝わる広告」の考え方

  • 森永乳業

生活者の心をつかみ、売上に繋がる企画は、どのような課題設定や意思決定から生まれるのか。「リプトンミルクティー」の“旧”発売施策、「マウントレーニア」の30周年コミュニケーションなど、話題を集めた施策の実践から見えてきた、クリエイターとのパートナーシップの最適解とは。

リニューアルした「リプトン ミルクティー」を、元の味に戻す際に公開したWeb動画「667通のラブレター」。667通の問い合わせの文言を用いて、青春恋愛風のアニメーションを制作した。

オリエンまでの下準備に2、3カ月

森永乳業ではマーケティング統括部が練った戦略をもとに、マーケティングコミュニケーション部が広告コミュニケーションのプランニングから実装までを担う。体制は広告担当が10人、社内でパッケージデザインなどを手がけるデザイナーが5人在籍する。林正義さんは2021年から同部の部長を務めている。これまで「MOW」や「PARM」の開発に携わったのち、2015年から「ピノ」のV字回復を主導してきた。

就任以来、チームのメンバーに伝えているのは「消費者に伝わるコミュニケーションをつくることが最優先」であること。そしてそのために広告会社とは、共に企む仲間としてフラットな関係でいるべきだと考えている。「広告の発注・受注の関係性から、それが上下関係になってしまうと、伝えることのプロであるクリエイターが考えた最善の施策に、余計な口出しをしてしまったり、演出など触れてはいけない領域に要望を出してしまったり、といったことがあるためです」と、林さん。

しかし決して「お任せ」というわけではなく、目的は明確に定めている。「効果に繋がる企画のためには、ブランドオーナーの我々がしっかり決め込まなければいけない部分があります。ブランドのコアな価値や志、パーソナリティ、ポジショニング。成長するためにどんなお客さまを取り込みたいか、それはどんな人で、ブランドに何を求めるのか。そういった面をクリアにすべく、オリエンの下打ち合わせには基本的に2、3カ月はかけています」(林さん)。

生活者が「本質的に求める」ことは?

そんなチームで、2023年、「ここまで実際に手をかけたのは初めて」と話すほど力を入れて取り組んだのが、同年3月から実施した「リプトンミルクティー」の"旧"発売に合わせて公開したWeb動画「667通のラブレター」と、その交通広告。生活者の声をそのままコミュニケーションに反映する形で実現した企画だ。

「667通のラブレター」では、まるで映画の予告のような交通広告も展開。実際の問い合わせ内容(右)も用いられている。

「リプトンミルクティー」は1984年に発売。2022年3月に味のアップデートと共に「リプトンロイヤルミルクティー」にリニューアルした。しかし、元の味に愛着を持っていた消費者たちからは、「以前の味が好きだったので変わってしまい残念」という旨の問い合わせが多数届くように。その数は半年間で同社史上最多の667件にのぼった。

「単に味を元に戻すだけでなく、問い合わせをくださった方々の声に応えるようなコミュニケーションができないかと考えました。そこで以前『ピノ』などでもお付き合いのあった電通のクリエイティブディレクター尾上永晃さんに相談。いただいたお問い合わせを皆で改めて読むことにしました。すると、そこに込められた熱量や愛情は、クレームとは異なることに気付きまして。尾上さんから『これはラブレターだ』と視点をいただいた時、たしかにそうだと腑に落ちました」。

その「ラブレター」を元にどんな企画を打つべきか。いくつか提案を受けたうち...

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いつもクリエイティブ面で活気のある広告主は、広告会社やクリエイターたちにどんなオリエンテーションを実施しているのか。2023年、広告活動を新たに始めた、または例年以上に注力をした企業・ブランドはクリエイティブに対してどんなこだわりを持っているのか――。今回は企業の広告宣伝関連の責任者、ブランド・事業責任者らにインタビュー。率直に「今、クリエイターに期待すること」をテーマに話をうかがいました。手段や表現、接点が多様化する中、またこの1年で従来の業界慣習なども変わりつつある今、どのようなアイデア、企画実行力が求められているのでしょうか。間もなく2024年を迎えるにあたり、考えていきます。

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