遡ること5年、2020年8月に大阪・関西万博の公式ロゴマークが発表された。多数の応募作の中から選ばれたのは、大阪を拠点とする「TEAM INARI」の案。その後このロゴをベースにした公式キャラクターの「ミャクミャク」が生まれ、デザインシステムへと繋がっていった。一連の流れを、「TEAM INARI」代表のシマダタモツさんはどう見ているのだろうか。

大阪・関西万博の公式ロゴマーク。大阪を拠点とする「TEAM INARI」が制作した。
「なんでもあり」なデザイン
――改めて、このロゴマークが生まれた経緯を教えてください。
大阪の浪速区稲荷を拠点に活動するデザイナー、コピーライターなど6人で「TEAMINARI」というチームをつくり制作しました。コンセプトは「細胞」。万博のテーマである「いのちの輝き」を起点に、細胞が分裂していくアイデアから考えています。さらに僕自身が5歳の頃に体験した、1970年の大阪万博のロゴをDNAとして宿しました。ロゴマークに決定後は、ロゴ使用にあたってのガイドラインを制作し、それをもって役目としては一旦完了している状態です。
今年の4月に万博がいよいよ開会となり、さまざまな場所でロゴを見かけています。自分が暮らす大阪の街にフラッグが張り巡らされていたり、普段の仕事では制作できないだろう...