アートディレクションを多様な視点から学ぶ、宣伝会議「アートディレクター養成講座(ARTS)」。今回で25期を迎えた本講座では、半年以上にわたり講義が行われ、受講生が卒業制作に取り組んだ。「任意のクライアントを設定し、ブランディングデザインをしてください。制作するアイテムは自分で考えてください」という課題を出題。受講生は、実在の企業、ブランド、店舗などを題材とし制作、柿木原政広さん(10inc.)、河合雄流さん(電通)が講評を行った。受講生がクライアントに自主提案をするかのように、企画とクリエイティブをつくり上げ、プレゼンを実施。ここではその中から選ばれた優秀作8作を紹介する。

柿木原政広さん(10inc.)

河合雄流さん(電通)
柿木原クラス 金賞 石井 澪
(Clear)
企画意図
ペットの高齢化が進む一方で、私自身も実家の愛犬がもうすぐ20歳を迎えようとしており、介護に関する情報や支援の不足を実感することが増えました。そこで、飼い主がペットの日々の体調を記録し、獣医師やメーカー、ペットコミュニティと情報を共有できるアプリ「きみと」を企画しました。家族に迎えた日から使うことで記録が蓄積し、ペットとの穏やかな日々をそっと支えるようなアプリです。かけがえのない時間が少しでも長く続くように̶̶そんな願いを込めて、ビジュアルや言葉にもやさしさを込めました。
ARTSを受けて
事業会社でデザイナーとして働く中で、さらにステップアップしたいという思いから、実務以外でのインプットを求めて受講しました。第一線で活躍されている講師の方々が、日々どのように思考し、どこに視点を置いてアウトプットしているのか、そのプロセスに触れる毎週の講義は、とても刺激的で学びの連続でした。この半年間で得た気付きや学びを、今後の制作にしっかり活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

河合クラス 金賞 笹谷啓太
企画意図
近年、全国の水道インフラの老朽化が進んでいる一方で、水道料金収入が落ち、水道事業の採算が悪化しています。日本の水は、世界的に見ても安全でかつ、軟水であることが特徴です。そこで、浄水器の定期交換を利用し、水道水がおいしいと感じられる流域のブランディングを行いました。認知拡大のために検針...