アメリカのテキサス州・オースティンで、2025年3月7日から9日間にわたって開催されたクリエイティブの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2025」。現地で参加したデザインファームtactoの中島琢郎さんが、クリエイターとAIが共創していくためのディレクション術と、そのための考え方「クリエイティブ・バリューチェーン」を解説する。

3月にテキサス州・オースティンで開催された「SXSW 2025」。
クリエイターの新たな働き方
SXSW2025ではAIに関する議論だけでなく、実践的な利用方法のデモやワークショップが多数行われました。中でも目を引いたのは、英国のAIスクールGeneral PurposeでチーフAIオフィサーを務めるトム・ヒューイットソン氏による「AI Es-sentials: Practical Skills to Get Started」というセッションです。ここではChatGPT、Perplexity、Midjourney、Replit、Runwayなどの生成AIツールを駆使した製品の開発プロセスが、45分という短時間で実演されました。さながらDJのようにAIツールを行き来する姿は、新しいクリエイターの働き方を示唆しているようでした。

SXSWの会場にて多様なAIツールを用いて製品開発を実演するトム・ヒューイットソン氏。
クリエイティブプロセスを頭に描きながら、AIに適切な方向性を示し、出力を評価・選別する。そんな「AIディレクション」の能力が、今後のクリエイティブ業界で差別化の要因となってい...