コピーライターがうらやむほどの「すごい」ネーミングとは?大ヒット商品「まるでこたつソックス」(岡本)や、「ジェリコ」(コメダ珈琲店)、「THREEPPY」(大創産業)など市場をつくるネーミングを手がけてきたコピーライターの小藥元さんが解説する。
20年経っても古びないワケは?
2005年に博報堂に入社したのだが、ちょうどその年に生まれたのがYouTubeだ。まず、「新しいテレビ」とも「メディア」とも言っていないのがすごい。明らかにいま、マスメディアになったというのに。提案でありがちな「NEW TV」だったら特に愛されもせず、今頃とっくに改名のリブランディングをしていたはずだろう。「You」と「Tube」この2ワードからしかできていないのに、単語を料理するのではなく、むしろ生で置くからこそ生まれるその表現感覚。ブラウン管時代の「Tube」という古めかしい言葉。ハードで終わらずに、逆に繋がることをイメージさせることに成功している。
そしてそれは自宅のテレビを繋ぐ電波ではなく、あなたとその画面を繋ぐもの。つまりあなたが配信していい時代。生んでいい自由の到来も意味している。「YOUR」「OUR」なんか選ぶはずもなく、「You」と置いたセンスに恐れ入る。その後、「iPhone」(2007年)が...