12月22日、羽田空港第3ターミナルに、“地方創生型ラグジュアリーブランド”と銘打つ「JAPAN MASTERY COLLECTION(ジャパンマスタリーコレクション)」のショップがオープンした。仕掛けたのは、元三越伊勢丹ホールディングス社長、現在は羽田未来総合研究所の代表取締役社長執行役員を務める大西洋さんだ。「日本の持っている価値を世界へ」――以前から大西さんが抱いてきたテーマが形になったということで、早速話を聞きに行った。
「守るべき日本の美と技」を未来へ残していく
「JAPAN MASTERY COLLECTION(JMC)」のショップが位置するのは、羽田空港第3ターミナルの国際線出国エリアの一画。「ディオール」のブティックの隣に、約188平米の広さで構えている。どういう意図からここを立ち上げるに至ったのか。「以前から、繊維・ファッションに限らず、食や住など暮らしを取り巻く領域で、地方のものづくりの素晴らしさを価値付けすることが大事と考えてきたのです」と大西さん。日本経済の活力が今ひとつという状況だからこそ、次世代に繋ぐためにできることとして、地方の経済を元気にし、日本の国力を上げていくことが肝要と、このプロジェクトを立ち上げた。


羽田空港第3ターミナル出国エリア内に位置する「JAPAN MASTERY COLLECTION」の店舗イメージ。店舗面積は約188平米。

写真は「JMC」のオリジナル商品のひとつ、Onitsuka Tigerの「Kansai Yamamoto 別注モデル“MEXICO 66 DELUXE”」。

「トラベル」「上質な日常」「趣味」「JAPANLUXURY」「プロモーション」という5つのゾーンを用意。こちらは「JAPAN LUXURY」で扱う、陶芸家の井上祐希さんによる有田焼の徳利とお猪口。ファッションブランド「mastermind JAPAN」とのコラボ。
地方には、その土地の風土や文化とともに培われてきた生活文化があり、ものづくりと結びついている。四季に彩られた豊かな感性、伝統を受け継いできた精緻な技、惜しみなく労を注いできた手仕事⸺そこには、土地と人が関わってきたストーリーが存在している。「日本が世界に向けて誇ることができる生活文化を、国内外に知らしめるとともに、買って使ってもらうことで、つくり手に還元できる仕組みをつくり、経済の循環を生み出していく。そこに大きなポテンシャルがあると思うのです」(大西さん)。JMCは単なるメイド・イン・ジャパンではなく、「守るべき日本の美と技」を未来へ残していくためのプラットフォームとして、製品への評価、生産者への資金の還元、後継者の育成などを目指していくという。
「ラグジュアリーに負けないものを」
地方創生型ラグジュアリーブランドには、どのような意図を込めているのか...