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SNSに最適化するクリエイティブ攻略

パーパスから一貫したメッセージングが共感を生む

宮城県岩沼市に本社を構えるにしき食品の自社ブランド「NISHIKIYA KITCHEN」が、1月9日から順次公開した3篇の縦型動画「あの日の、あのカレー。」。公開後からTikTokやTwitterで続々と再生や「いいね」が付き、結果として売上増加にも繋がっているという。単なる「バズ」で終わらない、「届く」「効く」動画の妙とは?

「あの日の、あのカレー。」「親子」篇(51秒)。幼い娘を見守る母親の忙しない日々と、そこに溶け込むレトルトカレーの存在、そして時を経て成長した娘を愛おしく思う母親の想いを描く。

ブランド認知拡大のための一手

にしき食品は2021年3月、カレーを主軸とするレトルト食品専門の自社ブランド「にしきや」(2012年発売)を刷新した。これを手がけたのがgood design companyの水野学さんだ。「NISHIKIYA KITCHEN」と銘打ち、「世界の料理を『カンタン』に。」というブランドパーパスを抽出。パッケージや店舗のデザインなども提案してきた。

リブランディングから約2年、今回動画の制作に至ったのはリーチを広げるためだ。「装いが一新されてから少し経ち、ブランドの体力は付いてきましたが、全国的にはまだ知名度が低い状態。また主な顧客層である30~50代の主婦の方々だけでなく、より若い方々にもブランドを知っていただくべく、認知拡大のための一手を打ちたいと考えていました」と、にしき食品 営業本部 本部長の菊池洋一さん。22年の春ごろ、改めて水野さんたちに相談をした。

「マス広告がデジタル広告に追い抜かれたと言えど、認知拡大にはテレビCMが効果的だと思います。ただ予算の中で効果を最大化すると考えると、Web広告が適切だと考えました。そこで、心に刺さる動画を数多く手がけるCHOCOLATEさんにお声がけをしたんです」と水野さんは振り返る。

「一人暮らし」篇(43秒)は、上京して働き始め、一人暮らしをしている青年が主人公。慣れない生活に悪戦苦闘する中、母から仕送りされたレトルトカレーを通じて勇気を得る姿を描いた。

記憶の中のカレーを描く

話を聞いたCHOCOLATEの栗林和明さんは、アニメーションの映像を提案した。

「定期的にインドを訪れて現地の味を学ぶなど、にしき食品さんのおいしさに向き合う真摯な姿勢を聞き、とにかく上っ面なものはつくらないようにしようと決めました。映像ではカレーをおいしそうに描くことでその企業姿勢を伝えられると考えたんですが、実写の魅力的な食シーンは偶然の賜物であることも多いし、今回はアニメーションが良さそうだなと。さらに色々と調べていく中で、日本人は年間に約79回もカレーを食べる、というデータが出てきました。そんなに食べているのなら、皆の記憶の中にあるであろう“おいしいカレーの思い出”を描けば、時間を超えておいしさの共感を生む内容になると考えたんです」。

そこで栗林さんたちは、チームでカレーの思い出を書き出すことに。その数は200にも上ったという。そこから20本を選び、さらに菊池さんや水野さんらと企画の骨子とするエピソードを...

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SNSに最適化するクリエイティブ攻略

縦型動画、ユーザー参加型コンテンツなど、あらゆるプロモーションでSNSの特性に合わせたクリエイティブが標準搭載されるようになった今。各社が一斉にマス広告と共存する表現はもちろん、SNSにおける独自の表現も取り組むようになり、埋もれないようなアイデアが求められています。特に従来のメディア環境にとらわれない若い世代に向けては、共感度が高く多様性ある表現を求めて、試行錯誤する状況も。そのゴールも「話題になる・バズる」「エンゲージメントを高める」などさまざまです。これら『SNS特化型クリエイティブ』について、クライアントごとの最適解の見つけ方を考えます。