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「広告」の枠を超える企業・自治体と番組コンテンツの融合

ニシダのストーリーを軸に『広告出稿』から『番組提供』に拡張

2022年9月7日からサガテレビにて「特茶」の一社提供番組『ラランド ニシダのお悩み散歩』が4週にわたって放映された。地方局の5分番組ながら、全4回の世帯平均視聴率は約11%、ハッシュタグ付きのツイートは約1万5000件。続編を待ち望む声も集まる。話題化の背景には、広告出稿から段階を踏んでコンテンツへと拡張してきた「特茶」宣伝担当の戦略があった。

「ニシダ・アド」のクライアント第1号に

始まりは「ニシダ・アド」への出稿からだった。2022年3月に、ニシダさんが所属するお笑いコンビ・ラランドの個人事務所レモンジャムは、新規事業として「ニシダ・アド」を発表。これはニシダさんが普段から背負っているリュックに、1カ月5万円で誰でも広告を出稿できるというサービスだ。このリリースを目にしたのが、当時「特茶」の宣伝担当になった直後の、サントリー食品インターナショナル 伊藤正明さんだった。

「企画が面白いなと目を付けました。既にSNSも盛り上がり始めていましたが、何としてもファーストエントリーを獲得したいと思い、すぐにメールを送信。熱量の勝負だと思ったので、カンプも付けて計3通ほど送りました」。

そして無事、200社ほどの応募があった中から一社目の契約にこぎつけた。伊藤さんとしてはメールを送る時点で、ニシダさんと特茶の親和性を感じていたという。「“体脂肪を減らすのを助ける”特茶を、ふくよかなビジュアルのニシダさんが飲み、広告が掲載されたリュックを背負って街中を歩くとしたら──。最高のシナリオになると考えました」(伊藤さん)。また4月はちょうど「特茶」のブランドリニューアルのタイミングでもあり、そこに合わせて開始することになった。

それと並行して、伊藤さんは「ニシダ・アド」への出稿という起点を、「線」につなげるべく動いていく。今度はラランドが出演するTBSラジオ『ツキの兎』へのタイアップ広告の出稿につなげていった。「『ニシダ・アド』でせっかく注目していただけたので、ファンの方々にこの文脈をもっと面白がっていただけるよう、次につなげたいと考えました。とはいえ下地がないところにいきなりニシダさんを起用した広告を出稿しても、効果が薄まってしまう。その点『ツキの兎』はラジオという特性もあってリスナーとの関係性が濃いのでぴったりだと思いました」。

タイアップ企画は、「ニシダ・アド」を踏襲した「街ブラロケ」に。ニシダさんが特茶オリジナルの金色のリュックを背負って飲み屋街を歩き、特茶を配りながら街行く人々にインタビューをする内容だ。22年7月の約1カ月間実施した。

レモンジャムの事業として始まった「ニシダ・アド」が事の発端。同社は「休日に...

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メディア環境やコミュニケーション手段の変化とともに、テレビ・ラジオ・音楽などのコンテンツとブランドの融合の在り方が変化しています。さかのぼればタイアップ、プロダクトプレイスメント、コラボレーションなど多様な形態でその在り方を模索してきた歴史がありますが、デジタルの普及とともに「ブランデッドコンテンツ」が広がってきたのはこの20年ほどの話。さらにメディアビジネスが変容し、世の中に流通するコンテンツ自体があふれ返っている今、「ブランドが広告を超えて、完全なるコンテンツになる」状態は可能なのでしょうか。その境界線を超えようと試行錯誤する、クリエイターの取り組みに迫ります。