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スタートアップ企業 事業を成長させるクリエイティブ

『市民権』の獲得と連動する マッチングアプリの広告戦略

エウレカが運営する恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」。2012年にサービスを立ち上げ、22年には累計登録数が2000万を突破。国内の恋愛・結婚マッチングアプリ市場で現在、最大のシェアを誇る。10年でカテゴリのリーダーとなったペアーズの広告戦略の考え方とは。これまでの主な広告展開とともに振り返る。

2022年4月、「#そろそろデート再開しませんか」を首都圏48駅の周辺の屋外ボードに掲出。その地域に合わせたメッセージを掲出し、世の中のムードをとらえた。

サービス開始5年目から広告を本格展開

今でこそWebCMや屋外広告も多数展開するようになった「ペアーズ」だが、サービス立ち上げ当初は一般的なtoCのオンラインサービスが辿るのと同様、デジタルマーケティングやデジタル広告をメインに実施していた。2017年までは「Facebookを利用した恋愛・婚活マッチングサービス」として、ペアーズへの登録にFacebookのアカウントを必須としていたこともあり(現在はLINEアカウントやApple IDなどその他の登録方法もあり)、特にFacebook上でのマーケティングを徹底。14年にはペアーズのFacebookページが国内5位の「いいね」数を獲得するなど、認知を拡大してきた。

そんな同社がより多面的かつ本格的に広告投資を始めたのは2017年のことだ。同年、ペアーズを通じて入籍したカップルが登場する「Pairs Summer Campaign」を街頭ビジョンやポスター、美容院・サロンの広告媒体、タクシーアドなどで展開。その後18年から19年にかけても同様に、ペアーズを利用してカップルとなった人々が登場するブランド広告を複数展開してきた。

同社 取締役/CMOのHo Changさんは17年から実際の利用者を起用した広告を展開してきた理由を次のように話す。「当時は今ほどにはマッチングアプリでの出会いが当たり前ではなかったためです。『ペアーズで出会った』と公言できる人も少なく、中にはマッチングアプリにネガティブなイメージを持たれている方もいたと思います。広告でペアーズを通して結ばれたリアルなカップルの姿を映すことで、実際の利用者がアプリを使っていることを堂々と公言しやすい雰囲気をつくり、アプリ自体もポジティブなイメージに変えていきたいという意図がありました」。

2020年12月から開始したキャンペーン「マイペースに、マイペアーズ。」。WebCMや交通広告、音声広告などを展開。6人の若手の俳優を起用して多種多様な恋愛観を持つ男女のストーリーを描き、マイペースに自分らしい恋愛を応援する姿勢を示した。

社会文脈に沿ったコアメッセージ

2020年には新たなキャンペーン「マイペースに、マイペアーズ。」を開始した。「20年は新型コロナの影響で多くの人が外出を控えるようになりました。その特殊な状況は、それまでマッチングアプリに興味が無かった人々へとパーセプションが拡大するきっかけにもなりました」とHoさん。そのタイミングで、実際の利用者ではなく人気の出始めた若手俳優を広告に起用することで、若者の“自分ごと化”を狙い、さらに恋愛に積極的ではない層に対しても“自分のペースで効率よく相手を探せる”というメッセージによって顧客層を広げることを狙った。

2022年春には大々的に「#そろそろデート再開しませんか」と掲げたブランド広告を展開。デートの...

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この10年でオンラインゲームや業務改革ツールやDX関連など、BtoBやBtoC問わず、スタートアップ企業による広告出稿が増加しています。広告のクリエイターたちも、投資対効果を求められることが多いこれらの表現に関わるケースが増えてきました。ナショナルクライアントのブランド広告などとは異なるのは、企業・サービスともに全く広く知られていない状況から、一気に認知を獲得しなければならないこと。さらにはコンバージョンや営業アシストなどに繋がる表現を、どう磨き上げていくかが問われること。「売り」を押し出す広告があふれることへの是非も問われる中、最前線にいるクリエイターたちはどのように表現を生み出しているのでしょうか。企業のトップやインハウスクリエイターの声も交えつつ、考えていきます。