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成功するD2Cブランド クリエイティブと差別化戦略

発売から4年 社風を感じさせる高級サバ缶

大阪の制作会社 アバランチは、2018年6月から自社サイトで、サバ缶「No.38(ナンバー・サーティエイト)」を販売している。元はと言えば、会社設立20周年を機に関係各社に配った“記念品”が始まり。発売から4年経った今、どのように運営されているのだろうか。

アバランチが展開するサバ缶「No.38」。単品で1620円、3缶セットで4860円(共に税込)で販売中。

記念品から自社のオリジナル商品に

「No.38」を立ち上げたのは、アバランチのプロデューサー 芋生宗丘さん。同社が2017年に設立20周年を迎えた際に、周年プロジェクトを任されていた。「20周年の記念品をつくろうということになって。忙しいクリエイターもパッと食べられて体に良い食べ物として、サバ缶、アバランチ……サバランチ?という、言ってしまえばノリで提案しました(笑)」(芋生さん)。

しかし、そこはクリエイティブの会社。やるからにはとことんつくり込もうと、サバの選定をはじめとした商品開発からスタートした。理想の味と見た目を追求し、缶詰メーカーの協力を得て、複雑な調理工程と手作業での製造を実現。「三種の厳選胡椒仕立て」「辛味引き立つガーリックオイル仕立て」の2種をつくり上げた。中身もこだわり、缶のふたを開けた際に、胡椒やローリエなどが飾りのように上面にくる。当時は「サバランチ」の名で、書道家が書いた「鯖」の字を用いたラベルのデザインだった。

これを周年のタイミングで各500缶、計1000缶用意し、関係各社に配ったところ、「味がおいしい」「代金を払うのでもうひとつ欲しい」といった反響が。それを受けて「では自社コンテンツとして本格的に売ってみようということになり、改めてデザインやネーミングを考えていきました」(同社 アートディレクター 佐々木宏二さん)。

裏面までこだわったプロダクト

18年6月に自社サイトで発売したのは、元の2つの味に「スパイス香る芳醇カレー仕立て」を加えた3種。名前を「No.38」に改め、数字とサバのイラストを前面に出したパッケージに変えた。白をベースとした紙製の箱に、伝統的なローマン体「カスロン」をアレンジした数字の「38」が配され、上品で余裕のあるデザイン。2缶・3缶セットは、マットな黒箱にロゴやイラストを光沢の黒で箔押しをした。

「当時はまだスタイリッシュな缶詰があまり無く、缶詰らしくない...

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成功するD2Cブランド クリエイティブと差別化戦略

大手企業から新興企業、あるいはクリエイターの自主制作まで。近年、国内外から多数のD2Cブランドが登場しており日々増え続けています。その中で埋もれることなく一層の差別化を進めるには、コンセプトに基づくクリエイティブの開発、そしてトライ&エラーが重要です。クリエイターが参画するブランド、あるいはクリエイター発のブランドが増える中、成功するD2Cブランドの共通項とは。複数の事例と、国内外で多数のD2Cブランドを見てきた専門家やプラットフォーマーらの声から探ります。