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滞在の「体験」価値をどう生み出す? クリエイターの提案

ロングセラーブランドの製造工程を追う 食育のための工場見学施設

ロッテは2022年5月、同社の主要工場である浦和工場(さいたま市)の工場見学施設を食の楽しさや健康、安全・安心などを学べる「おかしの学校」として大規模リニューアルした。単に「見学」するだけでなく、「学べる」施設としてデジタル技術を用いたコンテンツを用意している。

浦和工場内の「おかしの学校」。その名の通り学校をテーマにした内装デザイン。コースは「パイの実コース」と「ガーナチョコレートコース」の2つを用意。

デジタルで「参加型」の工場見学を実現

ロッテは、事業活動を通じて取り組む5つの重要課題のひとつに「食と健康」を掲げ、ESG中期目標として、食育体験者数を2023年までに10万人、2028年までに15万人にすることを目指している。ロッテESG推進部 食育推進課の課長 池田なつきさんは「工場見学は当社の食育活動の大きな柱のひとつです。従来の工場見学ではわかりにくかった点を見直し、施設の老朽化の問題もクリアするため、今回リニューアルに踏み切りました」と話す。

施設の最大の特徴は、各所にデジタル技術や映像を活用していること。従来の工場見学は口頭やパネルを用いた説明などアナログな手法が中心だったが、いかに全見学者が「楽しく、参加しやすく、わかりやすく学べるか」をポイントに、体験価値を向上させるため、映像技術やデジタルコンテンツを導入した。

「ただ見るだけではなく実際に手を動かすことで、情報や知識はより印象深くなると考えました。実際の製造工程を目の前で見てもらうのが工場見学の醍醐味ではありますが、どうしてもご覧いただけない工程もあります。そうした部分も映像で補完し、以前の工場見学よりもさらに製造工程などを理解してもらえたらと思います」(池田さん)。内容の変更や追加があった場合に簡単に対応できる点も、デジタル化導入の決め手になった。

パイの実コースの体験展示「焼成体験レーン」では、製造過程のパイの実を模したフィギュアをお皿に置くと、その説明が表示される。

学校がモチーフの世界観

リニューアルに伴い施設のデザインや空間づくりにもこだわった。ヨーロッパのクラシカルな学校をイメージした「教室」内には、これまでのロッテの歴史やSDGs活動を知ることができる「非接触モニター」やステンドグラス風の窓があり、壁は一面レンガ造り調になっている。工場見学をアテンドするスタッフも世界観に合った制服を着用し、来場特典としてお菓子についての...

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滞在の「体験」価値をどう生み出す? クリエイターの提案

6月からの訪日外国人観光客の受け入れ再開に始まり、いよいよ旅行や移動需要の拡大が期待されてきた今。新型コロナウイルス感染再拡大への懸念がありながらも、さまざまな施設やイベントが新たな体験を提供しようと動き出しています。では、その担い手であるクリエイターたちは今、人々のどんな行動やインサイトに注目しているのでしょうか。宿泊施設やエンターテインメント施設など、滞在による「体験」の価値を高めるクリエイティブのあり方を探ります。