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クリエイターと未来の顧客を共創 事業開発の進め方

プラ新法施行 代替素材による100の製品で新たな定番を生む

2022年4月、プラスチック資源の循環にまつわる新たな法律が施行された。石灰石を主原料とする「LIMEX」などプラスチックや紙の代替素材を扱うTBMではこれに合わせ、プロダクトデザイナーの鈴木啓太さんと新素材を使用した100製品を展開すると発表。本プロジェクトの方針策定の流れを追った。

「TBM100」キービジュアル。

第一弾「カトラリーケース」のイメージ。

「サステナビリティ革命」へ導くために

2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法(プラ新法)」では、特定プラスチック使用製品としてフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワー用キャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用カバーの12品目を定めている。これらを提供する事業者に対し、環境負荷を減らす取り組みが求められるようになったのだ。

このような動きを受け、TBMでは4月に「LIMEX」などリサイクル可能なオリジナル素材を用いた100のプロダクトを順次発表する「TBM100」シリーズの構想を発表。6月に第一弾製品として、愛用するスプーンやフォークなどを持ち歩くことができるカトラリーケースを発売する予定だ。

このプロジェクトにパートナーとして参画したのは、プロダクトデザイナーの鈴木啓太さん(PRODUCT DESIGN CENTER)。新たな商品開発やクリエイティブディレクションを手がけ、2030年をめどに「TBM100」ブランドとして100製品を発表していく。さらに同社のECサイト「ZAIMA」(2020年11月開設)では、他社製品も含めて環境配慮とデザインを両立したアイテムなどをセレクトし販売する。

鈴木さんとの協業の経緯について、TBM執行役員CMOの笹木隆之さんは「多くの人たちの意識を変えて“サステナビリティ革命”へと導いていくためには、新たなプロダクト開発や消費者との接点となるECサイトにおいてデザインやクリエイティビティの力が必要でした」と語る。

TBMが開発した「LIMEX」は石灰石を主原料としており、プラスチックや紙の代替となる。石油や資源に乏しい日本でも石灰石は自給自足でき、ほぼ無尽蔵であるため枯渇するリスクが低いという特徴がある。

鈴木さんは2017年に「グッドデザイン賞」の審査でLIMEXを知り、その可能性に着目。「美しいものであふれた社会を実現するために、ものが循環していく仕組みが必要。素材からアプローチをして新たなデザインやクリエーションを世の中に提案できないか」と以前から考えていたこともあり、2021年に第三者の紹介を受けTBMと新たなプロジェクトを進めることになった。

中長期目標から逆算したロードマップ

両者が最初に打ち合わせを実施したのは2021年12月。まず鈴木さんが提案したのは、オリジナルブランドの開発。4月の「プラ新法」施行のタイミングに合わせてアイテムを発表する、というプランだ。なおかつTBMでは新素材によるアイテムを生み出すだけでなく、回収・循環の仕組みづくりに取り組んでいるということを広く意識付けしていこうと示した(#01)。

この内容が、TBMが2021年に制定した目標「TBM Pledge 2030」を踏まえた提案であった点も...

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